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注視したいIMFのギリシャ支援のスタンス②

2012-11-17 00:01:18 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 IMFのHPなどによれば、IMFは今年3月に約285億ユーロ(約238億SDR)のギリシャへの融資を決定しています。そしてこのIMF融資分についてはEU等に優先して弁済されることに一応はなっています。これはある意味で当然です。IMFがギリシャ等に融資するお金は世界各国の出資金によって賄われているからです。
 
 1990年代後半のアジア通貨危機でIMFは、インドネシアや韓国といった支援受入国に対して極めてハードルの高い財政再建や構造改革を要求しました。その妥当性には議論があるところですが、受入国の経済立て直しに貢献するとともに、その結果として貴重な融資金をしっかり回収することもまたIMFの重要なミッションだから、ある意味で仕方のない面があったと思います。

 ところがIMFは、ギリシャに財政緊縮策の履行などの融資条件を求める一方、この夏から秋の時点で、ギリシャが2020年までの債務削減目標を達成できそうもないことを把握していたといわれているにもかかわらず、現在も引き続きギリシャ支援への関与を続けています

 そして10月のIMF・世界銀行年次総会で、IMFはギリシャへの拙速な緊縮策の強制は同国の経済回復に悪影響を与えるおそれがあるといった見解を述べています。さらにギリシャの対GDP債務比率3%以内の達成期限について、当初約束の2014年から2016年への2年間の後送りを容認する姿勢を示しているようです。これによって最大300億ユーロ程度の追加資金が必要となりそうにもかかわらず、です。

 こうした動きを見ていると、かつてのアジアの支援受入国に対する態度と比べてIMFはずいぶんギリシャに「甘い」という印象がぬぐえません。まさかIMFの現トップであるラガルド専務理事がフランス人だからというわけではないとは思いたいのですが・・・(ギリシャのデフォルト・ユーロ離脱でフランス[の金融システム]は深刻なシステミックリスクに陥るおそれあり)。

 「自分たちにはあんなに厳しかったのに・・・」かつてIMFのシビアなプログラムに苦しめられた韓国などのアジア諸国の胸のうちはいかがなものでしょう・・・

(続く)


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