いろいろな意味で、いまの金融環境を象徴していますね、これ・・・
ご存じのように、この瞬間の米株式市場では、テスラモーターズ(テスラ)の株価がスゴいことになっています。11日の株価は終値で811.19ドルですが、この1年間の安値である昨年3月中旬、すなわちコロナ禍が急拡大したときの水準(70ドル台前半)からの10か月でじつに11倍以上!に大膨張しています。直近では、日経新聞が報じたように、11連騰、つまり昨年12月22日の安値から今月8日までの11取引日の終値が前日のそれを上回って推移し、この間の上昇率だけでも37.4%(12/22:640.34ドル→1/8:880.02ドル[上場来高値])に達しています・・・
本ブログでこれまで何度も論じ、また後述する事情のために、現在、世界中のほぼすべての株式市場がヒートアップしているわけですが、その中でもテスラ株の騰勢ぶりは群を抜いているといっていいでしょう。このあたりは他の株と比べてみるとよく分かります。たとえば、アップルは11日の終値が128.98ドル、マイクロソフトは同217.49ドルでしたが、昨年3月の安値からの上昇倍率はそれぞれ約2.3倍、約1.6倍に過ぎませんからね・・・って書きましたが、昨春から1年もたたないでこれほど株価が上がれば、それだけでもこれら株主はウハウハでしょう。テスラ株はこれらをはるかに上回るパフォーマンスをみせているのだから、どんだけぶっ飛んでいるんだ~ってことになります・・・
この株価急騰を受け、テスラの時価総額もまた膨れ上がっています。そのスケールは・・・約7689億ドル(1ドル104円で約80兆円!)と全米中、第4位~! ちなみに同ランキングのトップ3はアップル(1位:2.17兆ドル)、マイクロソフト(2位:1.64兆ドル)、アマゾンドットコム(3位:1.56兆ドル)ですから、米市場でテスラは、以前のこちらの記事に書いた、いわゆるGAFA(M)(グーグル[アルファベット]、アップル、フェイスブック、アマゾン、[マイクロソフト]の米メガIT企業群)に匹敵する価値のある(?)企業と評価されているということなのでしょう(?)。
こう見てくると、テスラってそもそも何をしている会社だっけ?ってなりそうなくらいです(?)。あらためていうと、テスラは・・・電気自動車を(おもに)作っている企業になります。その時価総額が上記のとおり全米4位であり、それより上の3社は全部IT・・・ということでテスラは、世界の自動車会社の同総額ランキングで堂々トップとなっています。なお同2位は・・・わが国のトヨタ自動車で、その時価総額は2144億ドル(米市場では32位、日本市場ではいうまでもなく1位)と、いまやテスラの1/3にもなりません・・・。よって、これらからすると、テスラはトヨタをもしのぐ大メーカーに成長したのだな、と思えてきそうです、が・・・(以上、各株価はすべて今月11日の終値)