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【根拠レスに急騰のテスラ株、チキン・レース銘柄?】テスラ株---緩和バブルのあだ花?⑥

2021-01-23 00:15:51 | 世界共通
前回からの続き)

 ここまで、株価が異常に高騰している米電気自動車(EV)メーカーのテスラを見てきて思うのは、企業は、おもに株主および顧客(消費者)のステークホルダー2者の利益がバランスされているとき、経済・社会に貢献できている、ということです。この点、世界の自動車マーケットにおけるその一番手は、やはり日本のトヨタ自動車でしょう。前述のとおり、昨年の米「コンシューマー・リポート」の消費者評価で、トヨタ(同系列のレクサス)は26ブランド中2位(3位)と、トップクラスの評価を得ています。そして時価総額もテスラに次ぐ2位で、3位の独フォルクスワーゲンを大きく引き離しています(22日時点で約2.3倍)。そしてプリウスに代表されるトヨタの進取の気性と技術力はいまさらいうまでもないでしょう(そのトヨタを抑えて上記評価で1位に輝いたマツダ[これまた上位の常連]も立派だと思います)。

 他方、アメリカのGAFA(M)(米IT大手)は、たしかに株主の利益は莫大なものがあるわけです。たとえばアップルの2020年9月期利益は570億ドルあまりと、トヨタのそれ(2020年3月期、200億ドル弱[1ドル107円換算])の3倍ほどにもなります。けれどそれは、上述のとおり事実上の市場独占がもたらしたもの。つまり、そのユーザーが安価な利用料などとして本来は得るべき利益の多くが株主に行ってしまっていることを意味します。これを放置したままでは、スマホに代表されるIT市場はアップルを含むGAFAM(の株主)による市場支配がますます進み、ユーザーは価格ばかり高くて質の悪いサービスで我慢をさせられるおそれが高まります。そのあたり、こちらの記事に書いたように、アメリカをはじめとする各国当局には、独禁法・反トラスト法の厳格適用等を通じてIT市場での競争を促進して、消費者利益の増大に努めてほしいものです(っても、アメリカに限ると難しいかもしれませんね、こちらの記事で論じたように、同国には市場を競争的にすると米企業は第2第3の「トヨタ」[日本企業]にシェアを奪われてしまうというトラウマがあるでしょうから・・・?)。

 で、テスラですが・・・上記にはまったく当てはまりません。つまり、利益独占が難しいEVマーケットにあって、顧客の評価は最低クラス、そして株主利益もここまではほとんどゼロ(ずっと損失計上)なわけで、その点からすれば本当なら株も製品(EV車)も買えたものではないでしょう。しかし実際は上記のとおり、株だけは根拠レスにスゴいことになっているわけで、これはもう表題「緩和バブルのあだ花」として、上がったから買う・買ったから上がる、のいわば「チキン・レース」銘柄と理解するべきかと。なので、ちょっとしたきっかけで誰かが降りたら・・・

 ・・・って、このチキン・レースの敗者にだけはなってもらいたくないものです、車を見る目が世界一のはずの、この国の投資家には。ですが・・・?

(「テスラ株---緩和バブルのあだ花?」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキ
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