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【油価値下がり→流入マネー減少→リスク資産価額下落→…で危機に】クレディスイス危機が教える石油価格が下がるとヤバい理由⑤

2022-12-17 00:02:38 | 世界共通
前回からの続き)

 いま、世界の金融マーケットは非常にビミョ~な局面にあります。ここに一番大きな影響を与えているのは、ご存じアメリカ・・・の中銀FRBに代表される主要各国中銀の金融引き締めにともなう金利の上昇です。で、ビミョ~というのは、単純にみるとインフレ抑止に向けてFRB等は利上げを進めているから株や不動産などのリスク資産の価額はこの先、下がりそうだ・・・となりますが、もう少し深く考えてみると、利上げされても実質利回りのマイナス幅の大きさ(米でマイナス4~5%程度)は同引き締め前と変わっていないからFRB等は本心ではインフレ容認、となると上記価額は現在のもみ合いを抜けて再上昇していくのではないか、といった感じで、う~んどっちかな~といったあたりでしょう。

 とはいえ・・・って、実質金利は大幅なマイナスすなわち相変わらずのインフレ基調でも、名目上の金利の上昇は、もともと金利ゼロのオイル・・・マネーには・・・やはり逆風といえそうです。そこは前述の、原油価格の6月前後から現在に至る下落傾向&下落率の大きさが物語っているように思えます・・・

 このあたり他のリスク資産の価額変動と比べると推測できるというもの。たとえばアメリカでは、米ダウ平均株価は半年前よりむしろ上昇していますし、まあ不動産価格は6月をピークにじりじり下がっていますが(って、これ不良債権累増から金融危機に直結するたいへんリスキーな兆候ではあるものの)、それでも直近(9月)の対ピーク下落率は2.5%程度にとどまっています。これらには、やはり実質マイナス金利が効いている、とみるべきでしょう。となると、オイルマネー(≒産油国)のサイドは、自分の「元手」価額の相対的な低下率が高くなるなか、なおいっそう上記の・・・って、はっきりいえば米欧諸国のリスク資産(株、ジャンク債、不動産・・・)の価額上昇に期待したいところでしょう。そのあたり、本稿で書いている、サウジアラビアの銀行がスイスの大手銀行クレディ・スイス・グループ(CS)に多額の出資をしたことにも表れていると思います。

 ところが、オイルマネーそしてこれを預かる米欧側にとっても、現状のままでは・・・やはり推進力不足のためにマーケットの熱気を維持できない・・・ってことで自身や顧客が求める(最低でもインフレ率を上回る)水準のプラスリターンを確保し続けるのは難しいでしょう。というのも、上記のように投資元本となるべき石油・・・の価格が急落してしまっているためです。となればマーケット参加者は、流入が減ったオイルマネーに替えて新規の投資マネーを捻出しようと手持ちの株や不動産を売却するでしょう。こうした動きが広がれば結局、リスク資産全体の売りが拡大してそれらの価額が低下しかねず、やがて第二第三のCSが現れて・・・っても、その頃はきっと手元資金が枯渇して誰も増資等に応じられずに・・・

 上記で「非常にビミョ~」と綴ったのは、本当はそういうこと、つまりリスク資産全体の大幅な価値低下、そしてこれに起因した世界的な金融危機が勃発しかねない・・・と懸念されるレベルにまで原油価格が下がってきた、ということです・・・っても、同価格は足元で1バレル70~80ドル前後もするわけですが・・・

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