「荒唐無稽」・・・って切って捨て、目を背けるしかなさそうな・・・?
ロシアのドミトリー・メドベージェフ前大統領が新年直前にツイートした「2023年の10大予想」が先般話題となりました。わが国でもその内容が報じられましたが、いくら何でも・・・というものが含まれていることから、これ荒唐無稽だとみなされたように思います。ご当人も、年末は誰もがワイルドでばかげた翌年予想をするものだ、などと綴っているので、実現の可能性が低いものがあることを前提としているフシも窺えます。
が、それを割り引いても、この予想、かなり大胆かつリアル、そして本ブログで以前から書いている将来予測と合致しているところが多いため、ミョ~に気になるのも事実。同氏(現在、安全保障会議副議長)がウラジミール・プーチン大統領ら、すなわち(どこかの国よりもはるかに国際情勢の分析にたけた)ロシアの情報当局に引き続き近い位置にいるという点からも、これらには、けっこうなリアリティーを感じさせられます。本稿ではそのあたりについて以下、思うところを綴っていきます(取り上げる予想は順不同、詳細は同前大統領のツイート原文を参照ください)。
「原油価格は1バレル当たり150ドル(ガス価格は1,000立方メートル当たり5,000ドル)に達する」―――1番目の上記予想がこれ。そのとおり、そうなる可能性は相当に高いと考えます。理由は、某国の政府系有料放送曰く「ロシアのウクライナ侵攻に伴う云々」・・・なんぞではなく、先日のこちらの記事に書いたとおり、今年であれば「150ドル」くらいは必要・・・ってロシアなどの産油国にとって、は当然、アメリカや欧州にとっても、だから。とくに後者の欧米諸国にとっては、原油価格がこのくらいの水準に上がっていかないと資産バブル崩壊&金融危機再来の危機は防げないはず。そのためには現状レベルの実質金利のマイナス幅(4~5%以上)の堅持で「モノ>カネ(現金・預貯金)」の状況をいっそう定着させてモノの代表である原油の価格を「150ドル」目指して押し上げないと・・・となってきます。かくして両者の思惑と目標点は一致。なのでこれ荒唐無稽・・・とは真逆な、天気予報並みの確度のある(?)現実的な予測であることが分かるわけです・・・
もちろん、これらにともなって、インフレは今年、さらに高進していくでしょう。それはつまり、ドル・・・そしてユーロ等の価値の劣化加速を意味します。で、その行き着くところを見通しているのでしょう、メドベージェフ氏は同予想で、ブレトン・ウッズ体制(IMF・世界銀行に基づく戦後の世界金融システム)は崩壊してユーロとドルは準備通貨としての流通を終える、とツイートしています。まあ・・・2023年内かどうかは分かりませんが、近いうちにそうなるほかない、というのは、わたしも同意見。こちらの記事を含めて以前から書いているように、上記「真性インフレ」(モノ>カネ)はもはや解消不可能ですからね・・・