(前回からの続き)
ウクライナ情勢ですが、同国のゼレンスキー大統領らが米独の戦車の大量供与を求めていることからも推察できるように、ロシアの優勢はもはや明白、つまりウクライナ東・南部のロシアによる実効支配はますます強固になってきています。もっとも、ロシアが軍事侵攻するずっと前からこれらエリアではロシア系住民―――当然、親ロシア、そして反ウクライナ・・・の現政権―――の比率が高いので、この際、同住民の多くがロシアの占領を協力的に受け入れるだろうから、まあそうなるのは当然でしょうが・・・
となると、もはやウクライナは、全面降伏にはならない、いまのうちに、前回ご紹介の米実業家イーロン・マスク氏の提案に近いかたちの対ロ和平案を受け入れるしかないでしょう。それは、わたしの案と同様、上記エリア(クリミアはもちろん、ドンバス地方など)のロシアへの編入を認める、というものにならざるを得ないはず。ですが、そこは、マスク氏がツイートしたように(国連監視下の)住民投票でロシアへの合流を求める票数が過半数を占めたため、となるようにすれば(って、実際にそうなるだろうが?)、本当は戦争で負けた結果であっても、大義名分上は、住民がそう決めたから、ということでウクライナの現政権はメンツを保つことができる・・・かもしれません(?)。まあともかく、そのへんが、これ以上無駄な犠牲を出すことなく戦争を終結させることができる現実的な着地点でしょう・・・
・・・などと綴っていたら、アメリカもまた自国製戦車のウクライナ供与を決めたようです。とはいえ合計でたった(?)31台との由。これをドイツ(同14台?)等の提供申し出分に加えても・・・ウクライナが求める台数(100台超?)には遠く及ばないような。しかも、米戦車はこれから調達されるので、実際の戦場への投入は数か月も後だそうですから、それまで、かの国は耐えられるのかどうか。たとえ間にあったところで、こちらの記事に書いたように、上記を含む欧米各国の支援は、やはり中途半端、つまりロシアを完全に駆逐できるほどの迫力はないような・・・
「それでもウクライナの軍事支援を続けるべきだ」―――きっと欧米諸国、そしてわが国の人々の多くがそう考えているのでしょう。そのあたりは前回ご紹介の上記マスク氏の投稿に対する「反対」が約6割になったことからも窺えます(っても、それ昨年10月時点だから、いまは変わっているでしょうが)。そこまで支えたいのなら、正直もうお好きなように・・・と感じます。つまりこれ・・・欧米諸国の納税者らは自分たちからウクライナのためにもっともっとおカネを支払う!と宣言しているに等しいから、ならどうぞご自由に、ということです。実際、たとえばアメリカは2023会計年度(2022年10月~今年9月)にウクライナ等支援金として449億ドルを計上しています。上記戦車もこのおカネで購入するもよう・・・
おそらく、上記を含む欧米諸国のウクライナ支援関連の財政支出の大半は、どこかの国のように増税・・・ではなく国債の振り出し(≒財政ファイナンス)によって調達されるのでしょう。であれば、かの国々の人々は、支援だ!と熱く叫んだことの代償をさらなるインフレで食らうことになるでしょうね・・・(?)