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【「悪役」中国が米国債売りを仕掛けるストーリー、米国民には「ホラー映画」?】中国もロシアもアメリカ陣営だ③

2020-01-17 00:03:22 | 世界共通

前回からの続き)

 前回綴ったとおり、アメリカ人は自国の弱点が「金利」であることを認識していて、これが外国によって操作されてしまうことに恐怖を感じているわけです。他方、軍事面では最大の脅威であるロシアは、じつはドル米国債が欲しくてたまらない国だから、アメリカを恐れさせること―――これらを手放してまで米金利を跳ね上げてやれ!みたいな捨て身の?攻撃を仕掛けてくること―――はできません。だからこそ先述のような、ロシアが米国債を大量売却してマーケットを大混乱させて・・・みたいなストーリーの映画が出てくるわけです。これなら、ロシアの陰謀のせいで金利が上がっちゃうかも!?と観客はハラハラドキドキしつつ、でもこれスクリーンだけの話で、実際にはあり得ないんだよね~と、どこかで安心できる、といった具合です。

 けれど、この種の映画の「悪役」が中国だったら? マジでシャレにはならないでしょう。なぜなら、ロシアを大きく上回る経済規模と保有ドル資産を誇る中国ならば、ヴァーチャル(映画)ではなくリアル(現実世界)でこうしたこと―――大量のドル・米国債売りで米金利を急騰させ、アメリカを窮地に追い込むこと―――ができてしまう・・・かもしれないからです。したがって、中国にそうさせて・・・みたいな筋立てでは、巨額ローンを背負うアメリカ人としては身につまされる思いになるため、エンタメにはなり得ない・・・って、ホラー映画としては考えられるかもね?

 さて、では中国は本当に上記のようなこと(対米戦術としてドル・米国債を売却して米金利を跳ね上げること)ができるのか?ですが・・・正直、したくてもできない、と考えています。その理由はこちらの記事等で書いたので繰り返しませんが、これに関連して、中国がひそかに進めているであろう?金準備の増強について思うことを追記しておきます。

 上記以前記事、そしてこちらの記事を含め、本ブログでは中国が中国人民銀行(中銀)の資産構成の相当部分を金塊にしようと試みていると推測するものです。それは、現状のままだと同国の通貨・金融政策はいつまでたっても独り立ちできない(アメリカのそれに振り回される)し、もっと懸念されるのは、対外債務の重みに耐えかねたアメリカがドルを暴落させることで(インフレを起こすことで)、これに裏打ちさせている人民元の価値までが伴連れになって失われかねない、などといったことが想定されるためです。これらに対処するためには、上記資産を、ドルから何か別の、通貨に価値を与えるにふさわしいものに転換しなければならず、それは中国の場合、ゴールド)以外には考えられません。

 ということで中国は近年、急速に、かつ秘密裏に(?)金の保有を増やしてきているものと想像するわけです。おそらくその量は国際社会に公表している量(1948トン:2019年第4四半期)よりずっと多く、ひょっとしたらすでにアメリカ並み(約8千トン)のスケールに達している(あるいは超えている?)のではないでしょうか。

 こうして着々と金を蓄えてきている中国ならば、ドル資産からの独立を果たせるから、アメリカの急所を突くような上記攻撃等が実際にできてしまいそう・・・に思えますが、やはり無理でしょう・・・

(続く)

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