(前回からの続き)
前述したことから、現在の原油価格は、株や債券や不動産等の価額を押し上げるべき(そしてスイスの大手金融機関クレディ・スイス・グループ[CS]をはじめとする経営不振下の米欧金融機関の救済資金の源泉となるべき)「元手」(≒投資マネー)として期待・・・するには、まったく達しないほどの低水準(現時点で1バレル70ドル半ばくらい)に留まっています。
となると、このままでは文字どおりのガス欠でロケット・・・並みの急上昇を続けてきた全リスク資産の価額が一転、墜落しかねません。繰り返しますが、いまの「双子のバブル」(株高&債券高[低金利])のもとでは通常の景気循環における自律的な市場メカニズム(景気回復期には投資家はリスクを取るべく債券を売って得た「元手」で株を買う[とともに金利が徐々に上がっていき、過熱気味の景気を冷ましていく]、同後退期にはリスク回避のために株を売って得た「元手」で債券を買う[とともに借り入れコストが下がっていき、設備投資等が促されることで冷えた景気が徐々に回復していく]、が繰り返されていくこと)が機能しない[株・債券の「総買い」か「総売り」しかない]わけですからね・・・
で、耐え切れなくなって結局(何度でも)、金融緩和再開となることに。これ上述そして本ブログで何度も論じたとおりで、そうすることでロケットエンジンの再(々・・・)点火を図るとともに、本稿の文脈に沿って言うとオイルマネーに上記「元手」としてのパワーを再(々・・・)注入しよう、と目論みます。
そのあたり、たとえば直近では15日、ECB(欧州中央銀行)が政策金利の引き上げを決めた(市場介入金利を2.5%にした)ものの、その幅が0.5%と過去2回の0.75%から縮小しているところにも表れています。ようするに・・・早くも我慢の限界が近づいてきた、ってことですね・・・って、まだま~ったく届いていないのに、かの国々のインフレ率(11月は10.1%!?)に。まあ無理もないか、オイルマネー注入(サウジアラビアの銀行による増資)で危機を脱した・・・かと思われていた?CS・・・の株価、またまた下がってきているしね(日本時間23日20:00現在約2.8CHFと上場来安値付近)・・・
こうして、かの国々は高~い原油価格へのいっそうの依存、つまりインフレの深みにますますハマっていくことになります。もちろん、インフレが何をもたらすか、については、世界とくに欧州は自身らの苦~い歴史から分かり切っている・・・にもかかわらず、です。なのでホント、もう救いようがない―――実質マイナス金利から脱せようがない―――ですね・・・
・・・ってところに彼ら彼女らを導いたのも、そして(その一部を?)救い出せるのも、オイルマネー・・・の対極にあるジャパンマネーだけ。そのパワーは本来、無双です。そりゃそうでしょうオイルマネー(に代表される全リスク資産)のパワーの上げ下げ(上げ:円キャリートレードを促すべく金融緩和、下げ:その逆)ができるのは唯一、ジャパンマネーですからね。このあまりに単純な事実に、ようやくにして世界が気づき始めた・・・ような気がします・・・(?)