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ヨーロッパで存在感を増す金(ゴールド)①

2012-11-21 00:04:18 | 金(ゴールド)

 ギリシャをはじめとするPIIGS諸国の債務危機の解決がまったく見通せないなか、ユーロ圏共通通貨であるユーロへの信認が揺らいでいることの表れなのか、欧州で(ゴールド)の存在感が高まる兆しが見えてきています。本稿ではこのあたりについて具体例を挙げながら個人的な論評を記してみたいと思います。

(1)ユーロ建て金価格が最高値付近に上昇!

 タイトルのとおり、現在、ユーロ建ての金価格が史上最高値付近にまで上昇してきています。

 以下のグラフは2011年11月から今年10月までの2年間のユーロ建ておよびドル建ての金価格(1トロイオンスあたりの月平均価格)の推移を比べたものです。



 昨年9月、ドル建ての金価格は一時的に1オンス1900ドルを超え、史上最高値を記録しました。しかしその後は、ギリシャやスペインなどのユーロ圏重債務国のソブリン危機が深刻化してドル/ユーロが上昇したことや、世界経済の不透明感が高まるなかでリスク資産(現時点では金もリスク資産!)から流動性の高い債券(米国債、ドイツ国債、日本国債のように相対的に安全とされる国債等)等へのマネーシフトが強まったことなどにより、ドル建ての金価格はやや下がり、現時点(11月中旬)は同1700ドル台前半と、ピーク時の価格と比べると10%あまり低くなっています。

 これに対してユーロ建ての金価格のほうは、ドル建て価格が最高値を記録した昨年の秋頃からはドル建て以上のペースで上昇し、現在は1350ユーロあまりで史上最高値付近に達しています。これは、上記のドル建て価格のところで述べた事情などによりユーロ/ドルが下がったことが大きく効いているためと思われます

 まあドルも「財政の崖」回避による米連邦債務上限引き上げ(となるだろうと予想)や過度の量的緩和策などにより価値の希薄化が進み、とくに円に対しては減価していくでしょうが、ギリシャ支援をめぐるゴタゴタぶりなどからみても分るように、ユーロはそんなドルに輪をかける勢いで弱含んでいきそうな気配です。

 以前「金価格で測った各通貨(各中央銀行)のパフォーマンス 」で書いたように、中央銀行の金融政策の節度や通貨の購買力は金価格を指標に推し量ることができると思っています。その意味でいえば、現時点での金価格がユーロ建てで最高値になっているということは、欧州中央銀行(ECB)の通貨管理に対する信頼やユーロの価値がそれだけ下がってきていることを示しているといえるでしょう。

 ギリシャはもちろん、まもなくEUやECBに正式な資金援助を要請しそうなスペイン、外国からも巨額の借り入れをしている世界3位の国債発行残高を誇る(?)イタリア、そしてそんなPIIGS諸国の国債を大量に保有するアブナイ金融機関を抱えるフランスなどなど、いまの欧州には世界経済が熱い視線を送る「ユーロ・スター」が勢揃いしています。そんな彼らに次から次へとスポットが当たるたび、ユーロは動揺し、下落し、その価値を失っていく一方で、ユーロ建て金価格はジリジリと上昇していきそうだと感じています。

(続く)


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