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【QEフォーエバー?】アメリカはQEを止められるのか④

2013-06-27 00:01:19 | アメリカ

(前回からの続き)

 さてQEの今後ですが、個人的な予想を先に述べると、規模は縮小されるかもしれないけれど当面は続く、いやFRBはQEを続けざるを得ない、といったところだと思っています。その理由は、アメリカ実体経済の改善が思うように進んでいないため、そしてだからこそ金利を低いレベルに維持しなくてはならないため。

 先述のとおり足元の失業率は7.6%と高止まったまま。新規雇用者数も、このところ対前月比で10数万人ずつ増えてはいるものの、QE3終了の目安である失業率6.5%ライン到達に必要な同20万人増が何ヶ月も続くようなことはありません。そして雇用数が増えたとはいっても、その多くが小売業、サービス業、派遣業などといった低賃金の職種となっており、米経済の柱である個人消費をさらに盛り立てるには力不足な感じです。

 失業率以外の各種経済指数でも、ぱっとしないものが少なくありません。たとえば5月のISM製造業景気指数は半年振りに景気拡大と縮小の境目である50を下回っています。6月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数は82.7と、前月の84.5よりも低下しています。

 こうしてみるとアメリカの景気は本格的な回復軌道に乗ったとは言い難い状況です。そのため、まだまだQEの後押しによる株や不動産の資産価格の引き上げが必要だし、何よりも金利の上昇は絶対に食い止めなくてはならないわけですが・・・。

 これまで書いてきたように、QEの縮小・停止が近いとの観測から、世界中の投資家(各国政府・中銀、金融機関、ヘッジファンドなど)がアメリカの債券をどんどん売却しています。これを受けて米国債の価格は下がる一方、長期金利の上昇ペースが速まっています。もしこのまま投資家の債券売りが続けば、金利が跳ね上がって景気回復に水を差すどころか、へたをするとドルの信用危機すら発生しかねない・・・で、結局のところFRBが「最後の貸し手」となり、ドルを刷って債券を買い支える(=金利の上昇を抑え込む)しかない―――インフレリスクに目をつぶってでも・・・

 かくしてQEはこれからも続くだろう、というのが私の読みです(縮小や中断はあるかもしれませんが)。もしかしたら永遠に・・・アメリカが経常赤字ゼロを達成するまで(外国に借金をしなくてすむようになるまで)? したがって、この先FRBのバランスシートは4兆ドルを超えて膨張を続け、ドルのベースマネーも拡大の一途をたどることになるでしょう。そしてアメリカはQEマネーという「麻薬」依存症にますます陥っていく・・・。

 やがて(近い?)将来、マーケットにあふれたマネーの信用が揺らぐような何らかの出来事(大手金融機関の経営不安とか)をきっかけに、マネーに保存されていた価値がいっせいに実物資産へと移転、つまり激しいインフレが起こるに違いない、などと予想したりしているのですが、いかがでしょうか。

 まあこれはもうちょっと先のこと(だと思います、自信ないけど)。なので、(あくまで)短期的には意外に「米国債投資」がお勧めかも(?)。価格が下がっているこのタイミングで米国債を買っておいて、QE継続(FRBの国債買い入れ継続)がマーケットでふたたび意識されて価格が戻ってきたときに売れば儲かるかもしれないぞ、などと思っています(投資等のご判断は自己責任でお願いいたします)。

(「アメリカはQEを止められるのか」おわり)


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