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【Brexitの最悪現象はポンド暴落】「Jaxit」日本は英国そしてポンドからの脱出を急げ③

2019-08-01 00:01:03 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 ということで、ボリス・ジョンソン新首相のもとで英国は、当初はありえない(?)と思われていたEU(欧州連合)との合意無き「Brexit」(英国のEU離脱)にホントに突き進むことになりそうな気配(?)ですが、ではそのとき英国はどうなってしまうのか?・・・って、このあたりは、たった一つの現象から想像できるわけです。それはすなわち「ポンド暴落」。これこそ英国の逝く先を真っ暗にする元凶であり、「Jaxit」―――私的造語:経済面における日本の英国からの脱出―――が急がれることの最大の理由となるものです・・・

 すでにあちこちで予想されているように、無秩序Brexitとなれば英国の通貨ポンドは主要通貨に対して値下がりすることでしょう。で、その率ですが、昨年末にイングランド銀行(BOE:英国の中銀)が発表したハード・ブレグジットの最悪シナリオに基づけば、現在のマイナス25%ほどになるとのこと(って、アベノミクス日本の「」並みの暴落率じゃん!?)。ということは・・・現時点で1ポンド=1.2ドルあまり(31日現在)ですから、まもなくポンドはドルと等価(パリティ)のラインにまで落ちてくる、ということになりそうです・・・(?)

 とまあ、そのダウン幅が実際どれくらいになるのかはともかく、こうしてポンドが大きく切り下がるのは間違いなさそう。となればBrexit直後の英国・・・というかBOEは、まずはポンド防衛のため、急きょ金融引き締め、つまり利上げをせざるを得なくなりそうです(?)。これによってマネーの国外流出を食い止め、ポンドそして英国への流入を促そうという狙いです。しかし・・・これで金利が上がったら、今度は英経済の柱である不動産バブルがたちまち崩壊の危機に直面します。その際は、不動産所有者の多くが破産するとともに、これらの債権が一気に不良化し、英金融システムが機能不全に陥って恐慌が引き起こされてしまう・・・って、さすがにこれは絶対に回避しなければならないからBOEは・・・結局は利上げを断念し、ポンド下落を看過する以外にないだろう、と予想しています・・・(?)

 こうしてBrexit後のポンドは、金融政策の支えも得られず(?)、フリーフォール状態になるでしょう(?)。これで英国が被る最大の損害は・・・いうまでもなくインフレです。こちらの記事などで書いたように、いまの英国は、自動車などの耐久消費財はもちろん、原材料や日用品や食べ物などなど、ほとんどのモノをEUをはじめとする外国からの輸入に頼っているわけです。ここでポンドがさらに下がったら・・・当然ながらこれら輸入品のポンド建て価格は軒並み上昇し、インフレが激化するから、一般英国民の生活水準は著しく劣化するでしょう。他方、通貨安で輸出セクターが活性化し、インフレのダメージを緩和してくれる・・・なんて絶対にありえません。目の前のEU市場へのアクセスは・・・合意無きBrexitで悪くなってしまうわけだし、ただでさえ英国にはポンド安で急増する輸入額を埋め合わせるだけの稼ぎをもたらす輸出産業が見あたらないし、わずかに頑張っていた日本企業(および一部の欧米企業)もBrexitを機に英国を見限って出ていくでしょうから・・・

 かくして、もとより真っ赤な英国の経常収支はBrexitでさらに悪化し、これに伴ってポンド安と物価高がいっそう進み、国民経済はきわめて深刻な事態に陥ることでしょう・・・

(続く)

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