(前回からの続き)
「アベノミクス」(≒円安誘導)は進むも戻るも地獄―――先日もこちらの記事に書きましたが、アベノミクスは前回書いた「戻り地獄」逝き(年金基金の激減等)の発端が「円高株安」であることが分かっているために、これを回避するべく円安誘導のいっそうの強化(日銀の「追加緩和」等)に走るしかなさそうです。それはそれで「進み地獄」逝き、つまり円安インフレの激化による一億総窮乏化をどんどん進めるだろうことはこれまた前回指摘したとおりです。
それでも・・・アベノミクスがどれほど(円安株高を維持しようと)頑張っても、世界経済「リスクオフ」の巨大インパクトはそれを凌駕し、市況は株安・・・そして円高に向かう確率のほうが高いでしょう(?)。そのあたりの根拠はこちらの記事も含めてたくさん書いているので、ここではその際にわたしたちの年金原資とそれを運用する年金積立金管理運用行政法人(GPIF)がどうなってしまうのか!?の個人的予測を記しておきます。
結論から先にいうと、GPIFは逃げ遅れるだろう、とみています。つまりGPIFは、マーケットの急激な動きについていけず、その所有リスク資産に多額の評価損を抱える羽目になるだろう、ということです。世界のどこかでリスクオフ・イベント(デフォルト、それに付随するデリバティブの決済等)が発生したとき、個人投資家ならば手持ちの株とか外債を一気に売り払って円のキャッシュに逃れることができますが、しばしば「くじら」に例えられるGPIFは図体がデカ過ぎてそんな機敏な動きができません。兆円規模の外貨建て資産を短期間に高値で売り抜けるなんてできっこないわけです。で、モタモタしているうちにGPIFは、株・債券価格の下落損&為替差損をありえない規模に膨らませて年金積立金を激減させることになる・・・
以上のようなトホホな顛末の結果、こちらの記事に綴ったような災厄―――年金支給額の大幅カット(とか、年金支給開始年齢の大幅な引き上げ)―――が国民に降りかかることに・・・。その原資が、新ポートフォリオ適用前の元本をはるかに割り込むくらいに(!?)減ってしまったわけだから当然、そうなります。このときはおそらく、どヘタな(高値掴みをしまくりの)リスク資産投資の大失敗の責任を問う声がGPIF幹部やアベノミクス関係者を突き上げるでしょう。これを受け、人格者ぞろいの彼ら彼女らは自らの不明を恥じ、「想定外だった」なんて言い訳を一切せず、国民に対するあまりの申し訳なさから年金基金への私財提供を次々に申し出るにちがいありません(???)。しかし・・・セレブな皆さんのそれら資産をどれほどかき集めても、その総額は(たぶん)億円単位にとどまり、数十兆円にも達する(!?)年金原資の巨大な毀損額をまったくといってよいほど埋め合わせてはくれないでしょう・・・
こうして、肝心のGPIF基金に再起不能のダメージを被った日本の公的年金制度は事実上崩壊し、これに頼っていた国民多数はある日突然、老後資金のショートに追い込まれる・・・。まさに生き地獄(!?)ですが、アベノミクスとGPIFのこの先においては十分に「想定内」の事態です。
ではどうしたらよいのか!?ですが、アベノミクス万歳一色のもとでは、もはや個人でサバイバル策を講じるしかないでしょう。で、その策とは・・・本ブログで何度目かの繰り返しですが・・・「金」(ゴールド)を持つこと。