木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

歪曲・虚偽報道で犯罪を犯しているメディア

2017年08月03日 | Weblog

マスメディア報道の罪
30年前、「国鉄解体」、「国労潰し」に大きな役割を果たしたのがマスメディアの報道だった。読売、サンケイといった自民党政権の広報的存在が先導を切り、朝日、毎日などもそれに追随した。
<またか放漫国鉄、大盤振る舞いヤミ超勤>、<東京駅、国労4人組が暴力、春闘ビラ注意した乗客と喧嘩>(読売)
<問題職場、制服も着ぬ出札係>、<数年前から労使なれ合い採用>、<つるし上げの場、横車押す組合>(サンケイ)
<欠員の駅にヤミ手当、国鉄、保線含め1億数千万>、<入浴にもヤミ賃金、国鉄大糸線で慣行に>(朝日)など。
これらの記事がどれだけ客観的な取材に基づく報道であったか、読者にはそんなことはわからないから新聞記事を信じて、国鉄労働者への反感はつのった。
総仕上げが1982年7月23日に放送されたNHK特集「85才の執念、行革の顔・土光敏夫」だ。国鉄改革に取り組む第2臨調会長の土光が妻と二人の夕餉にメザシにかじりつく。その質素な食卓が「荒廃・国労」との対比として世間に印象付けられた。実際の土光はぜいたくな美食家で、NHKの演出だった。臨調第4部会長の加藤寛が指示した。後に内幕を暴露している。
この時代からマスメディアは権力の協力者で特にNHKは大本営放送ぶりを発揮している。しかし一人一人の視聴者から受信料を取っておきながら、その視聴者にウソを伝える、乃至は歪曲するというのは許せない。よく予算の承認を国会で認めてもらうためにこうなるという言い訳を聞くが、NHKの経営を支えているのは国会でもないし政府でもない。横やりを入れて来られた場合、どちらの立場に立たなくてはならないか明らかではないか。受信料支払いを拒否されても文句は言えない。
国鉄解体に加担したメディアの罪。
赤字国鉄キャンペーンで人員削減を迫り、公共交通の役割放棄を迫り、その癖、新幹線設備投資による利子負担が赤字を膨らませていたことは報道しなかった。
「分割・民営化」へ世論誘導し、なぜそれによって赤字が解消されるかの検証もなく地方路線切り捨て、大量の人員削減やむなしの世論をあおった。
国鉄解体により莫大な国鉄資本が民間に切り売りされ、汐留貨物駅跡地に作られた超高層ビル群。そこには共同通信社、日本テレビ、電通などメディアの本社ビルがそびえ立つ結果となった。大手メディアを信用してはならない理由がここにある。
地方路線は次々と廃止になり、人員削減、営利第一主義は05年4月の福知山線大事故の結果を生んだ。しかもこれだけの事故の責任は不問に付された。
(ジャーナリスト・山口正紀氏による週刊金曜日2017・4・14記事参考)

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