新規事業に挑戦する企業の支援をするには、金融機関が積極的にリスクを引き受けて、投資に必要な資金を融資しなければならない。
しかし、日本の金融機関はバブル崩壊以後は、リスクを採らない体質に染まってしまい、新事業への融資は極めて消極的になっている。
そこで、カントリーリスク、異常気象による損失など、企業や金融機関の責任とするには酷な状況変化に対しては、国が債務保証してリスクを軽減する。
さらに、製品の市場供給時の価格安定性を保証することで、金融機関の懸念を最小に抑えることが、新事業への融資を活発にさせるのである。
安倍政権は、成長戦略と称して「新事業への挑戦」を後押しすると公約しているのだから、これらのリスク軽減措置を速やかに講じる責任がある。
そしてエネルギー戦略の中身を、『脱石油依存』を明確にして、ガソリンの代替燃料や、軽油の「バイオディーゼル燃料化」の方向を、確実に打ち出すのだ。
そうすれば、国内資源を活用した「バイオ燃料事業」はもとより、海外生産の原料による「バイオディーゼル燃料」の新事業が各方面で活発に展開される。
そうすれば、あとは挑戦者の各企業経営者の腕の見せどころである。
ここから先は、中央政府が口出しをして、各個別の事業に補助金を出したりすべきではない。
それは、技術開発の自由闊達な創意と努力の競争を、捻じ曲げるおそれがあるからで、経済産業省などはいつも余計なおせっかいをして失敗する。
国内資源を使った「バイオエタノールの新事業」は、すべて、経済産業省が支配して管理したために、多くの税金投入を無駄にしてしまった。
やるべき責務は、『新事業に挑戦し易い投資環境を整える』ことに終始して、個別の技術への偏向をしないことに配慮するのが、肝要な姿勢だ。
消費税を均一に高くしていく政策は、新事業の台頭を抑制する影響がでる。
むしろ、税制度による支援の面では、法人税の減税などは止めて、儲かっている企業への課税は積極的に増税をすべきなのである。
その税収を使って、新規事業分野の製品には、消費税を減免する方が、新規事業の成功率が高くなる、と認識すべきである。
それは、新事業の最初の段階では、必ず赤字の状態でスタートするが、その時点では法人税の支払いはゼロで良い筈である。
しかし消費税が高いと、利益のない段階でも税金の負担する羽目になる。(続)