安倍政権は国際的な公約を果たそうという姿勢がない様に見える。
地球環境問題では、日本は『京都議定書の成立』に貢献して、2012年までの「温室効果ガスの削減義務」を忠実に果たすべく、民間の努力が実行された。
この削減義務の期間内では、国際的な削減活動では日本は優秀な実績であった。
ところが、2013年以降は国際交渉の場からは逃げの姿勢に終始して、ついには、【削減義務を負わない状態】に後退して、日本の姿勢を批判されている。
2012年までは民主党政権であったが、自民党の安倍政権になってからの、「温室効果ガスの削減」に対する取組は、まったくの落第点であった。
民主党の「温室効果ガスの削減目標」は、原子力発電の増設を前提とした無謀な計画であったが、少なくとも世界の信任を得る姿勢であった。
電力エネルギーだけでなく、『再生可能エネルギーへの取組み路線』を打ち出し、この分野の新技術の開発促進によって、次世代の新産業の育てる熱意があった。
能力不足による計画倒れに終わった民主党政権であったが、それでも、民間企業の研究開発意欲を刺激して、将来への夢を持たせてくれた。
しかし、安倍政権になってからは、原子力へのしがらみに縛られた中途半端な「再生可能エネルギー産業化」の姿勢では、民間企業も動きを封じられた。
「温室効果ガスの削減」に大きく貢献する筈の、『バイオ燃料実用化』の方向は、2003年の自民党政権時代から、余計者扱いを受けてきた。
『再生可能エネルギー電力』の普及促進策も、自民党歴代政権では、電力業界の意向を受けて、余計者扱いであった。
それが、3・11の原発大事故の影響で一気に、2011年8月には「再生可能電力の固定価格買取り制度」[FIT]が、全会一致で成立した。
法律の施行は2012年7月からであったが、それ以来、再生可能電力事業の「大フィーバー」が巻き起こり、民間企業の研究開発は、猛烈な競争に突入した。
しかし、電力事業以外の化石燃料使用の領域では、旧態然とした「重油、軽油、ガソリン、灯油」に依存する社会のままである。
さらに「温室効果ガス排出係数」の高い、石炭火力発電を促進する始末で、日本政府の「気候変動対策」に取り組む信用度は、国際的には失墜している。
これでは、もっと重要な【国の財政再建問題】に対する姿勢も、国際的な信用を失うのを加速することになる。
財政再建目標を先送りして、国債発行依存体質のママ放漫財政に浸る日本。(続)