庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

農業の最大問題は高齢化にあるとしても勘違いだ。

2014-09-03 | 国創り政治問題

日本の農業政策を【自給率の向上】から転換して、『高付加価値農業の育成』に力を注ぐべきだ。

安倍政権はやっと気がついて農業の6次産業化とともに、輸出出来る農産物の奨励を始めて、やる気のある農業者を支援することに政策転換した。

しかし、モノゴトを表面的にしか見ない似非評論家の意見に染まったマスメディアの論調は、農業従事者の高齢化によって悲観的な論調である。

この衰退する農業、高齢化した農業の悪宣伝を払しょくすることが必要である。

 

【農業従事者の60%が65歳以上】というデータを受けて、後継者がいなくなり耕作放棄地が増加して農業は衰退の道につながっている、と流布される。

これは明らかなマスメディアの勘違いである。

農業以外の産業では、多くは60~65歳の定年を迎えて引退するのが通常で、これらの産業で高齢化を問題にすることは一切ない。

農業の実態をみれば、農地を保有している高齢者は、農業をしていても、事業としての採算性を追求することはなく、農業を楽しんでいる人たちである。

産業としての事業性を追求している農業者は、他の産業とは大差がない。

 

農業経営者2000人にアンケート調査したデータ」を紹介しよう。

「食料自給率ありきの政策ではなく、個々の農場が努力し国内農産物の需要増加を目指すべきだ」との設問には、9割が賛同している。

また、「日本で油脂や飼料用作物を国際価格で作りコトは現実的でない」と回答し、9割が「個々の経営が成り立つ作物を作ることが大前提」との意見だ。

つまり、今までの農政は、食料自給率にこだわり、余生の楽しみ農業を保護することで、農業経営者の高齢化と現状維持を助長していたのである。

やる気のある農業経営者層を活性化させれば、高齢化は全く問題ない。

 

また、耕作放棄地の増加が問題視されているが、経営の成り立つ見込みのない農地は遊休化しておくか、他の用途に転用するのが合理的である。

問題は新規に参入する事業者や、若手の農業経営者に、この様な遊休地が合理的に利用出来る制度の改革が遅れていることにある。

この様な制度の改革にこそ農政の役割があるのに、農作物の転換などに口をはさんで、経営合理性をゆがめている。

本当の高齢化問題は、「少子化傾向」に歯止めがかからず、日本の需要者が高齢化する方が大問題で、需要の減るところに再生は望めない点にある。(続)