中央官僚の裁量による「地域活性化政策」は、ほとんどが失敗に帰しているのが、この20年間の実績である。
現在での地域社会の活力となっている「新事業、高付加価値製品」は、地域発で独自に進めてきた、『地元に密着した人材』の成果である。
この違いが解る人でなければ、「地域発の新事業の構想と実現」は、推進することは出来ない。
安倍内閣が「地方創生」を急に目玉政策に掲げて、鳴り物入りで始めたが、中央官庁の主導政策では、必ず失敗に帰する。
初めから「地域創生」の中身には、中央の政治は関与せずに、地域から発生した『本当の創生政策』に予算を重点的に回す必要がある。
それも補助金ではなく、すべてを移譲する交付金で進める制度にすべきである。
何故、その様にすべきかは、責任の転嫁をしない決意のある自治体にのみ、「地域創生にチャレンジする資格」がある、と考えるのだ。
補助金の出る間だけは、「試しにやってみよう」という熱意のなさでは、必ず失敗するし、中心となる推進メンバーは、中途半端な取り組にならざるを得ない。
中央での政権交代や首相のたらい回しになっても、「地域創生」の挑戦は、10年、中には20年を継続的に実施しなければ、成果に現れない様な課題である。
地元に密着して、『骨を埋める覚悟の中心的なメンバー』が必須であり、この人材は時流に左右されずに、足が地についた活動に熱意を持った人たちである。
表面的なスローガンと謳い文句で、「立派な企画、事業計画書」を作りあげ、言葉巧みに役所を根回しする「その場限りのコンサル事業者」は不必要である。
地域創生の課題は、その様なコンサルタントの発想の及ばない領域で、地元の隠れた資源や魅力を引き出し、高付加価値に磨き上げる創造の世界なのだ。
美辞麗句の文章や、既存の資料からの抜粋によるデータの羅列で、「創生の中身」が説明出来る様な安易なものではない。
中央官庁の官僚が、いくら優れた学歴と高知能を有していても、この様な『地域の価値を創生』する仕事には、もっとも不向きな人種である。
だから、中央官僚を排除して、「地域に終生の人生をささげてきた人材の感性」を活かす方策が、これからに『高付加価値社会』の創生に必要なのである。
安倍内閣の「地域創生」のスローガンでは、従来の総花的なバラマキ補助金は、絶対にやらないと言っているが、すぐに中央官僚の前にひれ伏すだろう。