庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

経済界の幹部経営者は働く人の収入を増やす役割と心得よ。

2014-09-29 | 経済問題

1990年代以降の経済界の重鎮たちが、今の日本の大問題である【少子化を加速】して、【地方社会の衰退】を招いた責任者である。

長期のデフレ経済に落ち込んで、抜け出られなくなった最大の原因は、【賃金水準の抑制】だけに経営努力してきた結果である。

経済学者の中谷巌氏は、この責任を痛感して、自著のなかで「自分の考え方が誤りであった」と、明確に述べて謝罪をしている。

しかし、他の経済学者や評論家の大半は、ホウカムリをしたまま、【賃金デフレ】を招いた原因を直視しようとしない。

 

新興国の経済が活性化して、次々に生産拠点が海外に移転する段階では、少しでも賃金を下げて、国内の生産を維持することが必要であった、と説明する。

この理屈は一理はあるが、日本全体、地方社会の継続性には【逃げの経営戦略】の後ろ向き経営であろう。

消費者となる国民の収入を減らし続けたら、自分たちの事業の首を絞めるばかりになることに気がつきながらも、「賃金を下げ続ける」経営をしていた。

経営の拡大は日本国内ではなく、海外の新興国市場で拡大すれば良い、との理屈であるから、一企業としては正しいが、それで良いとは言えないだろう。

 

このジレンマに対する回答は、二つの方向であると提示される。

ひとつは「高付加価値商品」「新サービスの開拓」によって、『価格競争力の市場からは距離を置いた経営戦略』を採用することである。

これには、高級化路線が重要であるが、生易しい挑戦課題ではない。

もうひとつの方向は、日本独自の社会風土に沿った、輸入品とは競合しない価値感、規格の商品を広げることである。

自動車でいえば、軽自動車のカテゴリーが、この目的に沿った商品である。

 

今の時代でも、国内生産を継続できる商品を開発し続けることが、経済成長を促すのである。

もちろん、賃金を抑制する経営戦略は放棄すべきで、人件費の抑制はあくまでも「生産性の向上」を達成し続ける経営努力による。

経済界の幹部経営者は、この基本認識の上で「経営戦略の再構築」をすべきだ。

それが出来ないと言う経営者は、即刻、退陣して後継者に譲るのが正しい。

出来ない理由を上げる幹部は不必要で、挑戦意欲のある経営陣のもとでこそ、『革新的な高付加商品、新技術、新サービス』が生まれる創意の源泉だ。