日本のエネルギー戦略で、「石油の代替燃料を開発」して、可能な限り石油の輸入依存を減らして行く事が、『国創りの基本的な方策』である。
しかし、実際の事業化を成功させるには、実績のない段階でもリスクを採って、挑戦しなければ実を結ぶことはない。
『ジャトロファ栽培』と「バイオディーゼル原料油の生産」は、日本にとって有益な事業であるが、誰もリスクを引き受けるところがない。
日本の経済停滞は、この新事業に対するリスクを逃げてばかりいるからである。
そこで、新事業を開拓する上で「未知のリスク」に対して、どうするべきかを、この「ジャトロファ事業化」を事例として深めてみよう。
まず、大きな検討課題で見ると、海外での生産に対しては、「カントリーリスク」がつきものである。
この場合は、アフリカタンザニアでの事業化であるために、政情不安の懸念があるが、タンザニアは政情が安定して人口4500万人に国民は穏やかである。
農業中心であるが生産性が低いために、貧困層が多く新規の仕事は歓迎される。
面積が日本の2.5倍の国土は、亜熱帯性気候で比較的【ジャトロファ栽培】に適している。
それでも海外での生産には、これらのリスクは想定を超える変化が起きるので、金融機関は資金を投じることをためらう。
この対策としては、政情不安や異常気候の遭遇時の損失に対して、政府がバックアップする「債務保証などの支援策」を講じるのが良い。
こうすれば、資金力のない「ベンチャー企業」のレベルでも、果敢に海外での新事業展開を、積極的に実行する資金を集めることが可能になる。
政府のエネルギー戦略の中に、海外での安定した『石油代替燃料の供給先の開拓』を掲げていれば、政府が後ろ盾になる大義名分が明確になる。
それでも、金融機関は事業の安定性に懸念を持って、リスクを背負うことを避ける傾向が強い。
生産された「バイオディーゼル燃料の原料油」が、安定した価格で買い取られるかに、疑念を持っているので、貸付資金には担保を要求する。
これに対しては、政府が確実に『バイオディーゼル燃料の普及促進』を図る法制度を成立させる姿勢が必要である。
再生可能電力の促進策に「固定価格買取制度」が大きな効果を発揮した様に。(続)