日本の農業を『高付加価値の産物』に転換して、新進気鋭の農業経営者を大幅に拡大することが、農業の活性化になる。
農業技術の進化によって、その実現性は高いが、問題は日本の消費者の高齢化であり、消費意欲が旺盛な若年層の購買力が落ち続けていることだ。
安倍政権は、この【若年層の実質的収入を落とす】ことばかりに専念している。
株価の上昇を画策しても、含み資産が増えるのは高齢の富裕層ばかりだ。
大企業が潤っても、老年の経営者層の一部しか所得は増えず、一般世帯の所得は、物価上昇率に追い付かない位の微々たる昇給にとどまっている。
だから、農業で高付加価値の農産物を栽培しても、国内での消費だけをアテにしては、確実に行き詰る運命である。
そこで、農産物の輸出を積極的に行わなければ、先行きは行き止まりになると、政府もやっと気がついて、遅まきながら輸出促進に転換した。
今までは、輸出促進といえば、家電や自動車などの工業製品を支援したが、これらは円安に誘導すれば、輸出は有利になって伸びる効果がでていた。
しかし、大半の製造工場は海外に移転しているために、国内の工場生産品は、国内向けの特別仕様がほとんどで、効果はでない。
なんと無知な政府であると呆れるが、とにかく農産物の輸出促進は将来のためには必須の課題である。
日本の農産物輸出は、世界の輸出マーケットの規模が100兆円を超えている中で0.2%程度の2000億円しかない。
日本の農業生産額は約8兆円もあるのに、2.5%しか輸出農産物はないのだ。
農水省の政策が全くお粗末に尽きる上に、農産物の輸出を志す農業経営者も、ホンのわずかに留まるからである。
農業の高付加価値化と生産性向上を図ることで、輸出促進は可能になる。
ところが、安倍政権の政策は、この動きにもブレーキをかけている。
農業の必要経費になる【燃料費の高騰】や、飼料や肥料の原料も【円安誘導の悪影響】で、軒並みに赤字要因となってしまった。
輸出促進どころか、農業経営の圧迫によって、経営余力を奪い続ける悪業ぶりで、何のために「超金融緩和政策」をとったのか、頭の中身を疑うばかりだ。
すぐにでも円安誘導政策をやめて、公共事業へのバラマキ的補助金を、『農業の高生産性の実現』への支援に向ける政策に転換することが急務である。(続)