庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

暮らしと産業を守るエネルギーの供給の将来を棚上げ。 

2014-09-09 | バイオ燃料・バイオマス

日本のエネルギー供給の将来依存をどう描くかは、大きな戦略目標として重要であるが、安倍政権は未だに、宙ぶらりんの目標しか掲げていない。

それも、電力の構成をどうするかは、原子力への依存度を減らして行くと曖昧な目標にして、当面の責任をゴマかしているので、産業界は戸惑っている。

電力以外のエネルギーをどの様に脱化石燃料政策を進めるかは、もっと曖昧で内容もお粗末の一言に尽きる。

石油に代わり得る液体燃料は、欧州やアメリカのやることを今のところ見ているだけに終始している。

 

アメリカの戦略は、30年以上も前から、国内の地下に埋蔵されていた天然ガスを採掘できる様に、膨大な国費を投じて開発し、2000年代初頭に実現した。

今や、天然ガスラッシュによって、石油への依存度は減り続けている。

経済成長への貢献度は、莫大な規模になり、雇用改善にも効果が表れた。

リーマンショック後の金融危機を超金融緩和で下支えをしてきたが、それも離脱できる状況になっている。

エネルギー戦略は、産業界にも国民生活や雇用にも、大きな影響を及ぼす、「最重要な国家課題」である。

 

だが日本でのエネルギー戦略は、1990年代から「原子力エネルギーへの依存度」を高めるだけで、石油や天然ガスの長期的課題は、先送りされた。

石油危機の教訓から、輸入先を分散化して、リスクを減らす戦術的な政策は実施したが、再生可能エネルギーへの転換可能性検討は先送りばかりだ。

欧州やアメリカのバイオ燃料の普及策の状況をみて、後追い的に普及目標を立案したが、数値目標を机上論で掲げただけで終わっている。

現在も、欧米の様子見を決め込んで、技術開発はモノマネの方針に留まる。

 

バイオマスエネルギーの実用化には、膨大な時間と費用が必要だから、[モノマネの戦術も]一理あるが、日本の国土は海洋に囲まれた島国である。

アメリカの様な大陸国家で、膨大な国土には使いきれない未開拓地が残っている条件とは大差がある。

後追いするならば、イギリスの様な島国国家の事例を参考にするべきだ。

このブログで紹介した様に、イギリスでは電力の大半を『洋上風力発電』に依存する戦略を立てている。

だが、石油燃料に対する代替は模索中で、日本はモノマネすら棚上げ状態だ。