庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

経済の転換政策に判断ミスばかりの安倍政権の愚策。

2014-09-18 | 経済問題

安倍政権は発足直後から、多くの政策判断の誤りを重ねてきた。

民主党政権のあまりのだらしなさに愛想を尽かした国民は、他の野党を選ぶ選択の自由もなく、自民党という安全パイを選ぶしかなかったのだ。

ところが、安倍政権は3割しかない支持層でも、議席だけは大幅な過半数を採っているので、何をやっても良いとカン違いをしてしまった。

第一の矢の「超金融緩和政策」は、円安誘導の方向に動き出したが、謳い文句の輸出増加効果は全くのカラぶりに終わっている。

1年半以上も経っているのに、いまだに貿易赤字の増加ばかりがのしかかる。

 

「デフレ経済からの脱却」に向けてと称して、物価上昇目標によって離脱方向になったとカン違いをしている。

デフレの原因は、長期の賃金下落による【賃金デフレ】であることが判明した。

それに気がついた政権は、慌てて大企業に向けて「ベースアップ要請」を重ねて、やっと一部の大企業が形だけは応じているが、中小企業は全く出来ない。

結局、輸入原材料や輸入品の価格上昇による物価上昇には、賃金、収入の方は追い付かずに、実質賃金は低下し続けた。

それに追い打ちをかけた【消費税8%】は、経済停滞の原因となっている。

 

賃金上昇の流れを作ってから、消費税増税を実行すべきであったのが、順序が逆になっている、まさに「アベコベミクス」の状態だ。

さらに、景気の落ち込みを防ぐと称して、大幅な公共事業のバラマキを実施したが、建設業、土木事業に偏っているために、入札不調や受注しても人手不足の状態で、かえって東北災害の復興を遅らせる悪影響しか出ていない。

全く中央官庁の官僚たちは、知恵のない限りで、昔の景気対策の発想しかない。

次世代型の新産業を起こす為の、公益的事業の発想は乏しい限りである。

 

第3の矢と称する成長戦略は、中身が乏しいこと、お粗末の一言に尽きる。

確かに、新技術や新事業を起こして新産業に育て上げるには、10年、20年と長期的な育成が必須である。

だからと言って、長期的な国創りのビジョンがふらふらしていては、民間企業の地道な取り組みを引き出す支援にはならない。

原子力発電への未練を引きずったママのエネルギー計画を打ち出して、「再生可能エネルギー」への転換方針を曖昧にしていては、新産業は生まれない。

確固たる戦略を打ち出してこそ、民間企業の投資が活発化するのである。