庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来は国産資源を目指すとしても海外生産の方策も挑戦。

2014-09-12 | バイオ燃料・バイオマス

石油に代替可能な「再生可能エネルギー」で、日本の国土、気候の適した資源は、バイオマスエネルギーの分野である。

この未開拓の可能性が研究不足のために、日本の石油輸入依存が続いているために、石油燃料の需給ひっ迫と円レートの変動の影響を受けてしまうのだ。

国民の生活を守り、安心できる将来の社会環境を築く上でも、バイオ燃料の開発と安定供給は国の優先的な課題である。

中期的な取り組み方針を、長期展望の中で決めて、採りかかる次期が来ている。

 

長期的にはすべて国内資源に依存することを目標にしても、現在は9割以上を海外に依存している。

このブログでは、日本の沿岸において、大型海藻(例えば昆布類)を養殖して、大量に燃料の国産化が可能だが、実現にはどうしても時間がかかるであろう。

そこで、実用化が目の前に見えている「バイオマス由来の燃料」には、石油代替がもう少しで可能になる方策もある。

これらのなかで、可能性が十分にあるバイオ燃料の状況を紹介しよう。

 

トウモロコシや大豆から「バイオ液体燃料」(エタノールやバイオディーゼル油)を製造する技術はすでに確立しているが、食料生産を奪うと批判された。

その時期に「ジャトロファ」という油脂成分が多い作物が日本に紹介された。

この作物は、亜熱帯気候の地域の適した作物で、養分が不足気味の土地でも育つ性質があり、食料と競合しないで耕作地を利用できる。

石油燃料の代替策として有力視され、日本でも作付が試験的に実行された。

結果はやはり日本での気候では生育に不向きで、計画は放棄されたかに見えた。

しかし粘り強く取組を続けて、海外での生産適地を探しあてたグループがいた。

 

日本ジャトロファ(株)は、将来の石油代替燃料と生産する目的で設立され、2010年から、ジャトロファの栽培適地を世界中で調査してきた。

アフリカのタンザニアでの栽培が、コスト的にも国情からも最適地と選定して、

JICA(国際協力機構)の事業に採択されて現地との調整を実施している。

しかし、民主党政権の時代に、事業仕分けの対象になって、すぐに成果が見込めない事業と判定されて、政府の支援は打ち切られてしまった。

その他の石油代替燃料の案件は、ひとつとして成功の見込みがたっていない。

この様な状況では、海外生産によるバイオ燃料の実用化も、まったく「国のエネルギー戦略なき迷走状態」におかれてしまった。(続)


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