庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本経済をデフレに誘いこんだブラック企業も反省したか。

2014-06-15 | 経済問題

衣料品の大手企業[ユニクロ]は、これまで物価や賃金水準の低下の流れを加速する【デフレ促進企業】の代表格であった。

若手を大量に採用して、わずかの年数でも店長に採用するとして、働き方の競争を加速させる一方で、脱落する従業員は、半数以上に達していた。

【ブラック企業の代表格】とも言われて、企業イメージの低下は免れなかった。

そこで、大半の社員を臨時雇いから「正社員に登用」すると宣言して実施した。

今度は、原材料の価格高騰や、海外生産品が受ける円安の影響を反映して、全商品を今月末から5%程度の値上げに踏み切る。

 

価格破壊を売りモノにして、大幅に業績を拡大してきた衣料品大手も、「品質の良い商品を届けるためには価格を上げざるをえない」と説明している。

これで、賃金デフレに歯止めをかけることができれば、働く人にとっては、朗報であるが、果たして給料増加は実現するのか。

原材料や円安が理由になる段階から、人件費の水準を上げるために、価格転嫁をできる様にして行くのが、デフレ脱却である成長路線につながる。

働き手の労働環境が安定した上で、給料水準が年々、上昇して行く時代が来ることを目指すべきである。

 

そんなことをしていたら、【国際競争に負けるから、人件費を上げるのは、ご法度だ!】と言い出す経済評論家は、もう現れないであろう。

価格破壊を礼賛した【ボケたマスメディア評論家】も、すでに過去の人として葬られている。

しかし、いまだに人口減少の傾向は進む一方で、働く人の給料総額を増やす努力を最大限に実行しなければ、経済停滞に落ち込む恐れも大きい。

それは1990年~2005年まで、【合計特殊出生率が、1.5から1.3まで下がり続ける】ことに、無策で来たツケが、回ってくるからである。

 

消費力を増やす世代の20代は、減り続けるのがこれから20年間は続くのだ。

30代から40代は、子供を増やすことはなく、消費も頭打ちから減少していく。

つまり、人口動態を考えれば【総需要はどんどん減少する】のが必然である。

だから、同じ商品でも「付加価値を上げて価格アップ」を消費者に納得して買ってもらう方向が必須である。

そして、価格が上がっても購買力はそれ以上に増加している必要があり、それには、『正社員化、給料アップ』は、経済成長にとって不可欠の要素である。


安倍政権の新戦略は成長停滞を招く絶滅への道を突き進む。

2014-06-14 | 暮らし・健康問題

安倍政権の新たな成長戦略は【大企業優先】、株式市場への働き掛けで【投資家への恩恵優先】の典型的なバブル経済発想である。

昨年6月に成長戦略を発表したが、その内容は「投資家の期待を裏切る」乏しい中身で、これでは安倍政権は1年も経たずに、支持を失うのではないか、と酷評された。

その後のアメリカ経済の回復基調に助けられて、なんとか経済の停滞は防げたが、株価の水準は昨年並みに停滞したままである。

 

安倍首相は、自分の政権の命脈を維持するためには、株価を上昇させることを優先していきたい、と考えている。

株価のバブル的上昇でも、市場は活性化していれば政権の支持率は維持できて、旧時代的な保守回帰政策を実現出来る、と考えているからである。

【法人税減税の前のめり】決定や、何のためか判らない【残業代ゼロへの規制緩和】、【海外実習生制度の期間延長】による低水準給料の維持、を強行する。

これは企業側の都合ばかりを優先し、働く人の生活環境改善は、一切ない。

これでは、「晩婚化、非婚化、少子化」は、さらに進むばかりである。

 

それで、働き手の不足を補うために、「女性の活用」を企業側の目線ばかりで、勝手に解釈した「空文的な政策」を並び立てる。

共働き世帯や、女性から見れば、「安倍政権が女性を働きやすくする」などの絵空事で働くのではなく、不十分な蓄えを少しでも補って将来の生活不安を減らしたいから働くのだ。

こんな状態では、【特定出生率1.43】の破滅的状況を改善するどころか、悪化させる方向にしか、若年世代の気持ちは動かないであろう。

2030年までに『出生率2.07』に回復させることは、まったくのカラ手形になる。

 

歴代の自民党政権が、『少子化対策』を重視すると公約しながら、実際の政策の中身はすべて【労働ダンピングに直結】して、働く人の生活環境を低下させた。

その反省に立っているとは思えないほど、旧時代感覚の経済政策である。

大企業の業績が向上すれば、若年世代の生活環境が順次改善して行く、と想定するのは、グローバル化した経済社会では、もはや無理なのである。

2014年4月の【実質賃金は3.1%減少】で、円安による諸生活経費は増加する一方の環境で、将来への生活の不安は増大するばかりである。

大企業の要求と目先ばかりを追い求める政策は、成長を確実に破壊するのだ。


価格競争のいきつくところは文化の破壊が終着点。

2014-06-13 | 暮らし・健康問題

日本人の食文化の代表であるウナギが絶滅危惧種に指定されて、保護の対象になった。

1994年頃から、中国が日本への輸出を狙って世界各地で[ウナギの稚魚]を大量に捕獲して養殖して育て、ほぼ全量を日本に輸出し始めた。

この低価格のウナギが日本中に広まって、輸入量は急増して年間13万トンに達したが、2000年時点から急速に稚魚の漁獲量が減少し始めた。

2008年に「ヨーロッパウナギ」が絶命危惧種となり、欧州連合は輸出をとめた。

 

ニホンウナギも同様に稚魚の漁獲減少が続いていたが、規制もなく捕り続けてきたために、ついに絶滅危惧種として保護すべき対象になった。

今は、インド洋に棲むウナギの稚魚を輸入して養殖をして、しのいでいる。

低価格路線に乗った大量消費が招いた【食文化の破壊】の象徴であった。

生態系の保全を無視した商業主義の行きつく先は、資源を絶命寸前に追い込むまで、市場での競争が進んでしまう。

この状態になるまで、消費の拡大を制限することが出来ないのが、現代の「市場原理優先主義」の大きな欠陥である。

 

これは「食文化やウナギの消費に限った話ではない」と肝に銘じるべきである。

新自自由主義の経済学者は、アメリカ流の掠奪型フロンティアの文化を、経済的にはもっともすぐれた制度だと盲信しているが、愚かなことである。

競争原理優先、自由取引市場優先、貿易自由化最優先、これらは【掠奪型資源消費の経済】であって、長続きしない制度であることは、明らかである。

1990年代からの貿易自由化の流れが、グローバル経済社会を礼賛して、低価格で海外から輸入することを、大歓迎してきた。

ウナギでいえば、一時的に低価格のうな丼をふんだんに食べることが出来たが、もはや、年に一度のうな丼も食べることが出来なくなる。

 

自民党の歴代政権、特に「安倍政権」は、経済成長優先主義で、自由貿易経済が将来の達成目標だと勘違いをしている。

大企業を優遇して利益を上げることが、日本経済を強くするに違いない、と盲信して、規制緩和と市場競争至上主義に囚われた政策に邁進している。

その悪影響はいたるところにひずみとして、社会・文化を劣化させているのだ。

ウナギの問題は小さいかもしれないが、これは、『豊かで健康的な社会』を作るとは逆行している典型的な具体例として、おおいに反省すべき課題である。


安倍政権の旧時代感覚と逆行政策は、さらに少子化を加速。

2014-06-12 | 暮らし・健康問題

経済界や経済産業省が「働らいた時間と関係なく成果で賃金が決まる制度」を安倍政権が実施する様に主張してきた「新制度」が、成長戦略に盛り込まれる。

人が健康に働き続けるには、1週間で48時間を目途にして、働き過ぎによる過労を防止する「労働時間の規制」を、規制緩和するという狙いだそうだ。

19世紀の過剰な労働時間による「労働者残酷物語」を、20世紀を通じて、適正な労働条件には、労働時間の制限をするのが、正当な人権の保護である。

こうした考え方を、経済成長一辺倒に持っていく、時代逆行型の愚策だ。

 

何のために「労働時間に関係しない働き方を強要する」制度が必要なのか。

マスメディアでは、【残業代ゼロ制度】と批判的に報じているが、その真の意図が判らないままに、「対象者を年収1000万円以上」に限定する、と決定した。

「正規賃金と残業代、休日出勤手当」で1000万円を超える社員は、どれほどいるのかというと、国税庁の統計では3.8%となっている。

これには、現在の管理職も含めてだから、非管理職で高度の専門能力を持った社員、というのが対象になる。

いまの働き方に対して、【残業無制限、深夜勤務無制限、休日出勤はやり放題】を認めれば、経済成長の力になる、とでも思っているのか。

 

ここに、旧時代産業界の代表の「経団連企業の老朽経営陣」の考え方が、硬直化していることの証明になる。

それを信じ込んで、またまた【若年世代の晩婚化、非婚化、子育て敬遠】の流れを助長する様な【少子化加速政策】を実施しようと言うのだから呆れかえる。

日本の中堅層を担う優秀な人材の「年収1000万円以上」の働き手から、子育ての時間をさらに奪い取り、今の旧時代経営の産業を守って、何が成長戦略だ。

1990年代から、労働強化を図りながら「賃金デフレ」を拡大して、日本の経済を停滞させたことを、早くも忘れている愚かさだ。

 

本当に優秀な人が必要で、それを達成するために必要な人材ならば、管理職に登用するか、そこまでいかないならば、残業代でも休日出勤手当でも、相応に報いる報酬を支払うのが、経営の神髄である。

それを、「成果に見合った報酬」などの、美名も元に、今より安い報酬で過労死寸前まで働かせようなどと考える、傲慢な経営者を放置する方が、日本経済のためにならない。

そこまで、労働ダンピングをしなければ勝ち残れない経営者は、退陣が運命だ。


人手不足を外国人労働者に頼る近視眼的な政策の愚かさ。

2014-06-11 | 国創り政治問題

外国人の技能実習制度について、法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」が、1993年に始まった内容を改訂すべきと提言した。

何を言い出したかは、新聞の報道するところでは、「問題点を改善して制度の活用を図る」として、実習期間を3年から5年に延長する、としている。

この制度の表向きは、「発展途上国の外国人に期間限定で国内企業で働いてもらい、技術を身につけて母国で役立ててもらう」のが狙いである。

しかし、実態は「安い労働力を実質的に増やして、過酷な労働条件でも無理に働かせる労働ダンピング」の制度に落ち込んでいる。

 

表向きは、日本の高い技術を習得して母国に帰ってもらう国際貢献のために制度で、1993年から始まり、20年も経過している。

しかし、受け入れる企業側は、「安価な労働力」を手に入れる手段とみている。

この制度がないと、成り立たない業種もあると訴え、しかも一人前になるには数年かかるので5年くらいは続けて働いてもらう、と助かるという。

つまり、【安い賃金で働く労働力が欲しい】の一言に尽きるうえ、外国人労働者だと日本人よりも一段と安い賃金で使うことになる。

この制度のために、日本の働き手の最低賃金が、さらに安く抑えられるのだ。

 

安い労働力頼りの仕事では、企業側の違法行為も多発して、給料のピンはね、残業代の不払い、労働災害隠し、などの評価を下げる不法行為が多発している。

アメリカ政府は、この様な「不法な強制労働的な実習制度」の対策を、日本政府に要求している。

法務省がその対策として、不法行為をした企業には罰則を強化するとしたが、

ナマヌルイ対策、罰則では、労働ダンピング的な実習制度は悪用されるだけだ。

安倍政権は、この労働ダンピングの悪影響が、まったく理解できていない。

 

働く人が集まりにくい業種には、より高い賃金を支払うのが経済合理性がはたらき、安い賃金しか払えない企業経営者は、退出するのが合理的なのである。

それを、国債貢献の美名のもとに、「外国人の技能実習生制度」を作り、目的とはかけ離れた実態を放置してきた政権に責任がおおきい。

日本の賃金デフレからの離脱を最優先課題として、その政策の沿って最低賃金の引き上げを早急に実施するのが先決である。

それで、安い人件費しか払えない企業には退出を迫り、その代わりに、新規に起業する経営者の支援に、多くの補助制度を作って行くのが、本来である。


少子化問題の改革が最重要と気がついてもやることが逆だ

2014-06-10 | 国創り政治問題

日本の『少子化問題の改革』については、すでに歴代の内閣が重要課題に取り上げて、少子化担当大臣まで設けて対策を講じる姿勢を打ち出してきた。

しかし、昨年までの改善の兆候はほとんどない現実をみると、なま半かな政策を打っている様では、この最重要課題は改善に向けた動きにはならない。

第3子への子育て支援の強化や、保育上の待機児童ゼロ等の、当然進めるべき対策も、小出しの予算では若い世代に信任は得られない。

ましてや、政権交代ですぐさまに、子育て支援の政策を「コンクリート支援」に切り替える様な安倍政権の取組には、全く信用がおかれていない。

 

デフレ脱却に向けて多少の軋轢がある政策でも、果敢に実施して「的外れでも効果を生み出す超金融緩和政策」の様に、ケガの功名でマトに近づく。

『少子化対策』でも、考え得る政策手段はすべて実行して、数年以内に効果を現わす様に覚悟を決めて取り組むべきであろう。

それには、何を政策上の改革にすべきと考えるか、一番、やさしい問題から、事例として取り組み方針を点検してみよう。

【デフレ脱却】の本命の取り組みは、『低所得層の収入増加』によって、【賃金デフレを解消】することから始まる、と気がついて改善し始めている。

 

何よりもまず、将来は明るい社会に近づいていくという展望を示すべきである。

第一に「エネルギー自立化と脱原発依存」を明確に、希望を持てる未来にする。

財政再建は、現世代の責任で財政規律を厳格に守る姿勢をきっぱりと打ち出す。

将来世代に負の遺産をつけ回しする様な、無責任が政策はすべて排除する。

そして、法人税減税の様に企業を優遇するのではなく、働く人の給与を増加させる企業を優遇する制度に転換する。

法人税の減税の条件には、確実に働く人への給与配分を増加する企業に限定するのも、明確な政治的姿勢を打ち出す意味合いで必要である。

 

この様にして、結婚する世代、子育てを考えている世代に、将来に希望が持てる社会を示して、子供たちに明るい未来が想定された政策が、何よりも優先する政治姿勢を示せば、『少子化傾向』に、やっと歯止めがかかるであろう。

それだけでは、少子化を改善できるのが確実だとは言えない段階で、逆方向に向かう様な「暗い未来を暗示する政策」は、絶対に控えることが肝要である。

今の安倍首相がこだわって進める「集団的自衛権の行使」を一内閣の政治判断で出来る様にすることなど論外で、逆効果しか生まない最悪の政治判断だ。


日本の最重要問題の少子化転換にやっと気がついた様だ。

2014-06-09 | 国創り政治問題

安倍政権は「経済財政運営の指針」(骨太の方針)で、人口維持を長期の目標に掲げることに決めた。

そのためには、第3子からの出産・保育に子育て支援を手厚くする。

それにより出生率を上げて少子化の流れを2020年に変える方針としている。

安倍政権は発足以来、「デフレ脱却」を最優先政策としてきたが、その次に取り組む「最大のハードル」と位置付けて、「50年後の1億人の人口構造を目標にする」と、数値を具体的に掲げている。

 

このブログでは、何度も日本の最大の問題は、「少子化対策」だとして、政権の取組を批判してきた。

安倍政権の発足後、1年半も経過してやっと、「少子化による国の衰退」を可能な限り早期に改善することが、克服すべき最難関だと気がついた様である。

経済成長の維持も、デフレ経済からの離脱も、現世代にとっての最重要問題ではあるが、2000年以上も持続してきた日本という国、国土が衰退して行く方がはるかに重要な問題であることは論をまたない。

 

安倍政権は、目先の経済再生や旧産業の維持に、優先度を置き過ぎていたが、それも、『少子化を止めて改善する』流れにつながってこそ、意義がある。

しかし、中央集権型の政治と経済では、【少子化の流れは止まらない】ことには、まだ気がついていない様である。

中央集権の象徴の東京都が、もっとも「特殊出生率が低い」現象に対して、適確な分析と対策が打たれている、とは思えない。

民主党政権が始めた「コンクリートから人へ」のお金の流れを、政権交代を機会に「人よりもコンクリート(インフラ)優先」の政策に変えてしまった感覚は、本気で【人口減少による衰退】に、危機感を持っているとは言えない。

 

若い世代が、結婚を遅らせる(遅らせざるを得ない環境)状況を、真っ先に対策を講じるべきである。

それには、若年世代の給与ベースを、政府が介入してでも上昇を加速する。

若い世帯が、子育てをし易い環境を、できる限り早期に作りあげるべきだ。

それには、保育園の待機児童ゼロを、突貫で実現する気構えが必要になる。

共働きをしなければ生活が出来ない社会では、学童保育の充実を図り、希望者全員が無料で受けられる教育環境が必要で、これも最重点課題とすべきだ。

これくらいの覚悟をして、まずは出来るところから、実行する姿勢が必要だ。


再生可能電力の普及促進の遅れに国民全体が責任を持て。

2014-06-08 | 快適エネルギー社会問題

日本の電力を再生可能エネルギーに依存する割合を増やすことには、国民のほぼ全数、政党で反対を唱えるところはどこにも見当たらない。

その中でも、「風力発電が大きな将来性」を持っていることにも異論はない。

しかし、世界は風力発電の普及に加速が起きているのに、日本だけは普及にブレーキがかかったままである。

風力発電の普及量で2010年の世界13位は、2013年には18位に後退した。

まさに風力発電の最後進国に転落してしまったのである。

 

この原因には、電力会社の風力発電嫌いによる妨害も大きいが、政治家、責任官庁の怠慢も大きな原因になっている。

風力発電の建設には1年もかからないのに、【環境アセスには3年以上かかる】現実には全く手がつけられずに、事業者に大きな負担を強いているのだ。

陸上風力の場合は「農地の転用」を伴うケースが多いが、その転用許可が「農水省の利権と非効率」でブレーキがかかったままである。

風力発電による電力の供給メリットと、農地減少によるデメリットの差し引きは、簡単な算術でも出せるのに、日本の国益の観念が全く農水省にはない。

 

これらの、政治家と行政に怠慢を助長するのが、先に書いた【エネルギーの似非専門家による偏見の批判】が、風力発電の将来性に水をかけ続けている。

この事態に加担してしまうのが、「再生可能エネルギーの信仰者」の発言がある。

これは太陽光発電の場合は顕著だが、発電能力と発電総量の間には、大きな違いがあるにも拘わらず、太陽光発電を誇大に持ち上げる情緒的推進論である。

火力発電の場合は、設備利用率が、60~90%程度に達するが、太陽光発電では日本の日照条件では、10~14%程度になる。

つまり、火力発電の6分の1の発電量になることを計算しないで、発言する。

 

風力発電設備も、陸上風力の場合は、20~30%の設備利用率で、火力発電の3分の1程度の発電量である。

この事実をわきまえないで、「太陽光、風力発電」の普及量の規模を過大に宣伝すると、批判者側はその点を目立つ様に「間違いを指摘して、鬼の首をとった様に信仰者の愚かさを断罪する」ことで、自分の正当性を浮き彫りにする。

これを見た一般の国民は、再生可能エネルギーの未熟さを懸念して、将来性に不安を持つので、政治家も行政も怠慢ぶりを、ホウカムリしても見過ごされる。

この様な状況で、再生可能エネルギー産業で、世界から大きく遅れたのだ。


日本再生にとって最適な成長戦略の要に新産業を育成せよ。

2014-06-07 | 快適エネルギー社会問題

日本の電力の主力設備は、「天然ガス火力発電」に依存している。

2010年度までは、天然ガス火力へは30%の電力供給を担っていたが、これが2011年3月11日以後は、予備電源として維持していた設備もフルに稼働して、電力供給の43%に達している。

現在は原発停止の電力分を、天然ガスと石油火力で、どうにか補完出来ているが、老朽化している設備の代替には、早急に着工しておき変える必要がある。

まずは、緊急対応としては天然ガス火力発電を増強して、50%供給を目指す。

 

自民党安倍政権は、原発再稼働により、依存度を10%程度に上げていくつもりの様だが、国民全体に支持は得られないであろう。

それでは、残りの50%の電力をどの様な手段で供給するかが、今後の政治的な議論になる。

再生可能エネルギー電力分野を「最優先の電源」として位置付けて、政策的にあらゆる手段を講じれば、次の様な構成に計画的に実現すべきであろう。

風力発電(洋上風力が主)30%。太陽光発電、5%。

バイオマス発電、10%。水力発電、8%。地熱発電、2%。

 

以上の様な構成を目標にして、105%の電力供給体制を、今から早急に着手することが、日本の将来にとって最も適切な方策である。

要点は、原発はすべて計画的に廃炉として、依存度はゼロにする。

石炭火力発電も新設は一切しないで、現在ある設備を償却期限まで利用して廃止するか、中途で、バイオマス発電の混焼設備に変更する。

石油火力発電は、もっとも発電コストの高い電源となるので、予備として保管する設備以外は、すべて廃止する。

この様な方向でいけば、温室効果ガスの削減の潮流で、日本は先端を進める。

 

最大のメリットは、既存の設備を勇断をもって廃止して行けば、新規に設備投資する機運が一気に高まる。

同時にその方面への技術開発競争が加速されて、発電効率の向上、設備費用の削減競争で進化が急速に進み、発電コストの低減が実現するw。

安倍政権が成長戦略と称して、あまり実効性のない新規産業におカネを振り向けているが、「再生可能電力」の分野は確実に需要のある大産業に成長するので、参入企業の投資リスクは最小になる。

日本で先端技術を磨けば、世界の中に打って出ることで、世界一を狙えるのだ。


日本が風力発電先端国になるには化石頭人間の偏見を除く。

2014-06-06 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギー電力の主力候補として、世界で最先端に普及促進が検討されている技術は「風力発電」である。

これは、このブログでもなんども書いているので、読者は理解をしていると思いますが、世の中のエネルギー専門家、電力事業者関係者は、いまだに風力発電の欠点を上げて、主力になることを認めようとしない。

その理由の大半は、過去の未熟技術の段階をほじくり出して、非難するレベルの低い論調だが、中には【専門家の知識】を持ち出して、欠点を責め立てる。

 

送電線網を充実しなければ、風力発電の普及拡大は不可能であるが、専門家は、陸上風力発電は騒音被害や生態系に悪影響を及ぼすので、限られた適地しか見つけられないから、日本での拡大は無理である、と主張する。

そこで、東北、北海道などの風況適地では、もっと陸上風力発電の建設を進めて、送電線網の充実・強化が条件にして、大幅に普及促進をすればよい。

送電線網は原子力発電の建設時に、かなりの遠距離を大電力の送電能力を持たせて建設しているから、原発を停止した段階では、その有効活用になる。

それと、全体計画にそって段階的に送電線の強化に、投資をすべきである。

 

陸上風力発電の適地が限られる問題に対しては、すでに実施している、将来の風況調査に基づいて、洋上風力発電の設置計画を進めるべきである。

このブログで説明した様に、各地に洋上風力ウインドファームを建設して、陸地までの送電線建設を実施すれば、あとは陸上の設備の追加はわずかである。

その時期には原発の廃炉が相次いでいるから、価値のある送電線設備が遊んでしまうことを防ぐ意味で、ウインドファームは、原発廃炉計画に合わせる。

今の日本にとって、有効な電力源に切り替え政策は、これがベストである。

 

化石燃料発電の専門家は、洋上風力発電は、漁業や海洋生態系、魚類などに悪影響を及ぼすと、頭から否定的な意見を述べるが、これは既に実証済みの結論は、『洋上風力発電』の建設は、漁礁を増やす効果で魚類の繁殖に有利である。

漁業関係者もこれを認めて、今後は、洋上風力発電の誘致策に動くであろう。

洋上風力発電に関する技術開発は、日本の得意な造船技術と、海洋関連の建設技術を駆使すれば、高いレベルの設備を完成出来る。

世界の先端を行く技術と国家的な集中投資を実現できれば、原発に依存していた電力の比率29%を、代替することは十分に可能である。

その実現の一歩目は、電力事業者の偏見を取り除くことが第一の仕事であろう。


日本に最適な洋上風力発電に対する似非専門家の批判。

2014-06-05 | 快適エネルギー社会問題

現在の世界では、再生可能エネルギーで最も将来性のある「風力発電」が、急速に普及が進んでいる。

設置に要する期間が短い上に、量産効果もあって設備コストが下がり、電力の価格競争力は、急速に火力発電に近づき、現在でも石油火力を完全に凌駕する。

日本では当初から「風力発電」は日本の国土、気候には適さないから、補完的な電力にしかならない、とブレーキをかける専門家たちが続出した。

経済産業省では1990年代には、日本は風況が適さず、風向きが変わり易い上に、雷の被害で設備が故障するから、適地は限られるとして、開発を放棄した。

 

しかし、2000年代に入って欧州の急速な普及状況をみて支援する方向に変わったが、時は既に逸して中国やインドなどの新興国からも大幅に遅れてしまった。

現在は世界で第13位の普及量のレベルに留まって、量産効果も出せない日本の企業は苦戦を強いられている。

それでも、やっと日本の風力発電を増やす潮流が、「再生可能電力の固定価格買取り制度」の発足によって、再度、始まっている。

特に日本では、洋上風力発電が将来の可能性が大きいとして、国も力を入れ始め様としている。

 

だがエネルギーの専門家たちは、いまだに風力発電の将来性を否定して、欠点をあげつらうことに余念がない。

曰く、風力発電は安定しない電力だから、バックアップ用の電源を準備する必要があるから、実質的な発電コストは高い。と。

原発の発電コストは安いと言う時には批判せず、今は全原発ゼロでバックアップ電源の石油火力に頼る状況には、何の説明もしないでいる。

この論法でいえば、原発は現有電源の中で、もっとも高い発電コストになる。

 

次に曰く、風力発電は消費地から遠い地域に建設するから、長期距離の送電線網の増強が必要だ。と。

これも原発の論議でいえば、消費地からかなり離れたところしか原発は建設できないので、送電線の新規増設が必要であった。

この時は何も批判をしないで、風力発電の時には問題だと言い出すのは、専門家としての客観性が欠如しているのではないか。

確かに、消費地の近くに建設出来る化石燃料の火力発電は、送電線の建設負担は少ないが、それで火力発電優先を主張するわけでもなさそうだが・・。(続)


化石燃料依存の社会からの脱皮を目指して柔軟な発想を。 

2014-06-04 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギーの普及には、従来のエネルギーの専門家は、機会をとらえて欠点をあげつらってきた。

国民が最も身近に見る再生可能エネルギーは、「太陽光発電」であるが、これは、初期は「環境オタクの趣味」の範囲で、国が優遇するなどは論外だと批判した。

ある程度技術進化すると、今度は、日本には設置する屋根の面積は限られているから、普及しても微々たる電力にしかならない、と軽蔑していた。

ところが、電力会社としては、電力需要の一番多い時間帯に、わずかでも発電してくれるので、ある程度の普及には内心では歓迎していた。

 

2011年7月の民主党政権時代の大きな成果として、『再生可能電力の固定価格買取り制度』[FIT]が成立すると、設置までの期間が最短の「太陽光発電」の設置ブームが起きた。

その主流になったのは、工場用地の空地や耕作放棄地の有効活用になる、「メガソーラー」(1MW以上の大面積太陽光発電)事業である。

製品の品質や設置工事がしっかりしていれば、確実に投下資金が回収できる。

今の時代で、これは有利な投資対象事業で、日本中に広がり適地は次々に設置の申請が進められた。

 

その次には、農地を利用した太陽光発電の事業化の試みが拡大している。

化石燃料事業の専門家はその著書で、「大面積のメガソーラーを植生がある場所に建設すれば、その面積分の動植物は壊滅し、保水力も浄化機能も激減して、環境破壊になる」と、簡単に全否定している。

しかし、化石燃料の事業者が想定するほどの大面積ならば、そうなるかもしれないが、限られた農地に農産物への適当な日当たりを配慮した建設ならば、むしろ、有利な作物があることを知らない、【農業オンチ】の言い分である。

 

現在は、農水省もその効用を認めて、農業を続けることを条件に「一時転用」との扱いにして、この取組を支援することにした。

『ソーラーシェアリング』と呼ばれる方式で、「日光が当たり過ぎない作物では、収穫が増えた」との事例も現れた。

お茶の栽培でも、「抹茶の栽培」では、畑を覆って日陰を作る必要がある品種があり、この品種では通常の2倍の価格で売れる。

日陰を作る費用が浮かせて、太陽光発電も出来るメリットは大きい。

この様に化石エネルギーの専門家は、化石化した頭で柔軟な発想が出来ない。


中央政府は自治体よりも遅れた取組しか出来ない現状だ。

2014-06-03 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギー産業は、未だに日本の中で促進を合意されている状況にはない様である。

安倍政権は、可能な限り促進を図ると公約で謳いながらも、具体的な普及促進の目標と政策手段を明らかにしていない。

それは、まだ原子力に依存しようとする勢力がブレーキをかけているのだ。

これは国民の意向を無視する論外の動きであるが、これを遮断する姿勢を採らないで、アイマイで中途半端な原発依存の発言をする安倍政権に責任がある。

 

それは議論する必要もないが、エネルギー開発の関係専門家は、「再生可能エネルギー」の限界とデメリットを盛んに公表して、政治家や行政の推進方向に水を差す発言を繰り返している。

確かに「再生可能エネルギーの技術」は、まだ進化の途上にあって、エネルギーとしての効率も悪く、コストは割高の状態にあるのは確かである。

しかし、その未熟さ指摘して、優先的に扱うことにブレーキをかける意味は、日本を停滞状態に引き戻す効果しかない。

 

まだ発育途上の若者を、一人前でないとして、最前線に送り込まない態度は、訳知りを自慢する有識者の思い上がりで、消極的なブレーキ役になるだけだ。

その様な自称専門家は、化石燃料業界の前線での活動で、成果を上げてきた人物に多い。

「原発をすぐにゼロ」にする、と叫ぶ「環境優先主義者」を「情緒的な環境オタク」と軽蔑的に非難する「化石人間オタク」に多くいる。

今すぐ原発をゼロにできるわけがない、と言い切っていたが、現在は原発ゼロになっている日本の現状を、見ようとしない偏屈ぶりを発揮する。

 

原発の依存度をゼロと主張する陣営から、再稼働容認派も含めて、いきなり再生可能エネルギーで代替できるとはだれも思っていない。

一時的には、天然ガスの輸入エネルギーに依存することは、誰も異論はない。

議論は、原発依存をやめて、天然ガスに依存している間に、どの様な普及促進策を講じて「再生可能エネルギーの技術開発」を促進させるか、にあるのだ。

ところが、この促進政策は、民主党政権で成立させた『再生可能電力の固定価格買取り制度』だけが、普及の効果を上げているだけに留まっている。

この制度に上乗せする「自民党政権」としての政策は、皆無の状態だ。

これでは、新産業の育成につながる技術革新を誘導する政権としては落第だ。


日本は裕福な自治体が率先して再生可能エネルギーを促進。

2014-06-03 | 快適エネルギー社会問題

政府や自治体が借金をしてでも、【総需要の不足を埋める新事業】を始めることが、人手不足状態に近づける。

これが、働く人の給料を下から押し上げる効果を生みだし、国民全体の購買力を増加させることで、総需要不足が解消してデフレ経済から離脱できる。

その借金してでも始めるべき新事業は、「再生可能エネルギー関連」であることは、今さら説明の必要もないであろう。

政府は2030年までに再生可能エネルギーの比率を25%まで引き上げると公約しているが、目標年が先のために、もう一つ活性化しないのが現状だ。

 

ここにきて、東京都は「再生可能エネルギー」の普及目標を、2020年までに20%を達成する目標を掲げると打ち出した。

東京都は、6月3日に「東京都再生可能エネルギー拡大検討会」を立ち上げる。舛添要一東京都知事が5月23日の定例記者会見で発表した。

本委員会では、東京都における再生可能エネルギーの電力に占める利用割合を現在の6%から、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに20%程度まで高めることを目指し、都内外での導入拡大に向けた具体策のほか、藻の活用のような新技術の開発促進など、多角的な取り組みについて検討する。

 

欧州の先進都市では、すでに20%以上の「再生可能エネルギー電力」を利用しているが、日本では【自民党政権の電力業界よりの政策】にこだわって、いまだに日本全国での普及割合は、1.6%程度(大型ダム式水力は除く)である。

これを20%に引き上げるには、かなりの設備投資が必要になり、そのための事業拡大によって、多くの人手を必要とする。

安倍政権は、いまだに「エネルギー基本計画」による再生可能エネルギーの普及目標を、2030年の遠い時期に設定しているために、企業の設備投資を引き出す誘因にはならない。

 

東京都は財政が豊かであるから、全国に先駆けて自ら投資することと、大企業に対しての「再生可能エネルギー」を導入する政策を実行出来る。

すでに、東京都の「大規模事業者への温室効果ガス総排出量削減義務」の制度を決めて、国の政策の遅れをしり目に、着々を「再生可能エネルギー普及拡大」への布石を打っている。

当面は、大企業の行動は省エネルギー設備への投資であるが、再生可能エネルギー関連の技術進歩を見ながら、設備投資の計画を実施するであろう。(続)


デフレ経済からの脱却は人手不足を起こす新産業の育成だ。

2014-06-01 | 快適エネルギー社会問題

このブログで書いてきた様に、21世紀のグローバル化が進んでいる先進国では、「富めるものだ先に豊かになって、落伍したものを助けよ」という、中国の小平の先冨論は、すでに機能しなくなっている。

同様に、アメリカ経済に停滞時に新自由主義で一斉を風靡した「トリクルダウン理論」も、全くの虚偽であったことが、現代のアメリカの病根になっている。

その一方で、日本での常套手段である【公共事業の大判振る舞い】は、国の借金が膨れ上がる弊害はあるが、人手不足の状態を全国的に波及させて、下からに給与アップの圧力によって、全体に労働者への配分が増えて活性化する。

 

この様に見てくると、現代での有効な賃金デフレ対策は、「国の借金が増えても果敢に公共事業を拡大」する、「新ケインズ政策」が、有効であると判る。

20世紀前半の世界大恐慌時代に、ケインズは「国が需要不足を補う」コトが最優先すべき政策で、借金が増えることを避けてはならない、と提言した。

この公共事業は、「たとえ穴お掘って、そのあと埋めるだけ」の事業でも、総需要不足を起こした経済には有効であると、明確に説明した。

安倍政権は、このケインズの教えどうりに、将来は無駄に終わるかも知れない、原発の安全対策強化の工事を電力会社に進めさせている。

 

しかし、最終的には国の借金が増えた分だけ、次世代にツケを回すことになるから、できるだけ早期に借金頼りを止めて、税収が増えることに切り替えねばならない。

今の安倍政権に国債頼りの公共事業と原発の安全対策は、将来において国の税収が増える方向にはならない。

むしろ、大きな負の遺産となって、その維持には大きな税金の追加投入が懸念されている。

 

「総需要不足」を最優先で対策するには、投資した成果が社会全体の能力の向上をなって、将来世代が税収増の恩恵を受ける案件に向けるべきである。

現段階で、その方向にもっとも沿っている分野は、再生可能エネルギーの技術開発を普及促進策への集中的な投資である。

現在は、「再生可能電力の固定価格買取り制度」通称[FIT]であるが、これによって、太陽光発電への投資は急拡大し、地熱発電やバイオマス発電への投資計画も軒並みの状況である。

しかし、電力以外の熱エネルギー利用分野への投資はまだ未開拓の状態だ。