庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

再生可能電力の普及促進の遅れに国民全体が責任を持て。

2014-06-08 | 快適エネルギー社会問題

日本の電力を再生可能エネルギーに依存する割合を増やすことには、国民のほぼ全数、政党で反対を唱えるところはどこにも見当たらない。

その中でも、「風力発電が大きな将来性」を持っていることにも異論はない。

しかし、世界は風力発電の普及に加速が起きているのに、日本だけは普及にブレーキがかかったままである。

風力発電の普及量で2010年の世界13位は、2013年には18位に後退した。

まさに風力発電の最後進国に転落してしまったのである。

 

この原因には、電力会社の風力発電嫌いによる妨害も大きいが、政治家、責任官庁の怠慢も大きな原因になっている。

風力発電の建設には1年もかからないのに、【環境アセスには3年以上かかる】現実には全く手がつけられずに、事業者に大きな負担を強いているのだ。

陸上風力の場合は「農地の転用」を伴うケースが多いが、その転用許可が「農水省の利権と非効率」でブレーキがかかったままである。

風力発電による電力の供給メリットと、農地減少によるデメリットの差し引きは、簡単な算術でも出せるのに、日本の国益の観念が全く農水省にはない。

 

これらの、政治家と行政に怠慢を助長するのが、先に書いた【エネルギーの似非専門家による偏見の批判】が、風力発電の将来性に水をかけ続けている。

この事態に加担してしまうのが、「再生可能エネルギーの信仰者」の発言がある。

これは太陽光発電の場合は顕著だが、発電能力と発電総量の間には、大きな違いがあるにも拘わらず、太陽光発電を誇大に持ち上げる情緒的推進論である。

火力発電の場合は、設備利用率が、60~90%程度に達するが、太陽光発電では日本の日照条件では、10~14%程度になる。

つまり、火力発電の6分の1の発電量になることを計算しないで、発言する。

 

風力発電設備も、陸上風力の場合は、20~30%の設備利用率で、火力発電の3分の1程度の発電量である。

この事実をわきまえないで、「太陽光、風力発電」の普及量の規模を過大に宣伝すると、批判者側はその点を目立つ様に「間違いを指摘して、鬼の首をとった様に信仰者の愚かさを断罪する」ことで、自分の正当性を浮き彫りにする。

これを見た一般の国民は、再生可能エネルギーの未熟さを懸念して、将来性に不安を持つので、政治家も行政も怠慢ぶりを、ホウカムリしても見過ごされる。

この様な状況で、再生可能エネルギー産業で、世界から大きく遅れたのだ。