衣料品の大手企業[ユニクロ]は、これまで物価や賃金水準の低下の流れを加速する【デフレ促進企業】の代表格であった。
若手を大量に採用して、わずかの年数でも店長に採用するとして、働き方の競争を加速させる一方で、脱落する従業員は、半数以上に達していた。
【ブラック企業の代表格】とも言われて、企業イメージの低下は免れなかった。
そこで、大半の社員を臨時雇いから「正社員に登用」すると宣言して実施した。
今度は、原材料の価格高騰や、海外生産品が受ける円安の影響を反映して、全商品を今月末から5%程度の値上げに踏み切る。
価格破壊を売りモノにして、大幅に業績を拡大してきた衣料品大手も、「品質の良い商品を届けるためには価格を上げざるをえない」と説明している。
これで、賃金デフレに歯止めをかけることができれば、働く人にとっては、朗報であるが、果たして給料増加は実現するのか。
原材料や円安が理由になる段階から、人件費の水準を上げるために、価格転嫁をできる様にして行くのが、デフレ脱却である成長路線につながる。
働き手の労働環境が安定した上で、給料水準が年々、上昇して行く時代が来ることを目指すべきである。
そんなことをしていたら、【国際競争に負けるから、人件費を上げるのは、ご法度だ!】と言い出す経済評論家は、もう現れないであろう。
価格破壊を礼賛した【ボケたマスメディア評論家】も、すでに過去の人として葬られている。
しかし、いまだに人口減少の傾向は進む一方で、働く人の給料総額を増やす努力を最大限に実行しなければ、経済停滞に落ち込む恐れも大きい。
それは1990年~2005年まで、【合計特殊出生率が、1.5から1.3まで下がり続ける】ことに、無策で来たツケが、回ってくるからである。
消費力を増やす世代の20代は、減り続けるのがこれから20年間は続くのだ。
30代から40代は、子供を増やすことはなく、消費も頭打ちから減少していく。
つまり、人口動態を考えれば【総需要はどんどん減少する】のが必然である。
だから、同じ商品でも「付加価値を上げて価格アップ」を消費者に納得して買ってもらう方向が必須である。
そして、価格が上がっても購買力はそれ以上に増加している必要があり、それには、『正社員化、給料アップ』は、経済成長にとって不可欠の要素である。