庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

デフレ経済からの脱却は人手不足を起こす新産業の育成だ。

2014-06-01 | 快適エネルギー社会問題

このブログで書いてきた様に、21世紀のグローバル化が進んでいる先進国では、「富めるものだ先に豊かになって、落伍したものを助けよ」という、中国の小平の先冨論は、すでに機能しなくなっている。

同様に、アメリカ経済に停滞時に新自由主義で一斉を風靡した「トリクルダウン理論」も、全くの虚偽であったことが、現代のアメリカの病根になっている。

その一方で、日本での常套手段である【公共事業の大判振る舞い】は、国の借金が膨れ上がる弊害はあるが、人手不足の状態を全国的に波及させて、下からに給与アップの圧力によって、全体に労働者への配分が増えて活性化する。

 

この様に見てくると、現代での有効な賃金デフレ対策は、「国の借金が増えても果敢に公共事業を拡大」する、「新ケインズ政策」が、有効であると判る。

20世紀前半の世界大恐慌時代に、ケインズは「国が需要不足を補う」コトが最優先すべき政策で、借金が増えることを避けてはならない、と提言した。

この公共事業は、「たとえ穴お掘って、そのあと埋めるだけ」の事業でも、総需要不足を起こした経済には有効であると、明確に説明した。

安倍政権は、このケインズの教えどうりに、将来は無駄に終わるかも知れない、原発の安全対策強化の工事を電力会社に進めさせている。

 

しかし、最終的には国の借金が増えた分だけ、次世代にツケを回すことになるから、できるだけ早期に借金頼りを止めて、税収が増えることに切り替えねばならない。

今の安倍政権に国債頼りの公共事業と原発の安全対策は、将来において国の税収が増える方向にはならない。

むしろ、大きな負の遺産となって、その維持には大きな税金の追加投入が懸念されている。

 

「総需要不足」を最優先で対策するには、投資した成果が社会全体の能力の向上をなって、将来世代が税収増の恩恵を受ける案件に向けるべきである。

現段階で、その方向にもっとも沿っている分野は、再生可能エネルギーの技術開発を普及促進策への集中的な投資である。

現在は、「再生可能電力の固定価格買取り制度」通称[FIT]であるが、これによって、太陽光発電への投資は急拡大し、地熱発電やバイオマス発電への投資計画も軒並みの状況である。

しかし、電力以外の熱エネルギー利用分野への投資はまだ未開拓の状態だ。