このブログで日本の直面する最大の問題は「少子化の流れ」が止まらないことである、と指摘してきた。
その対策が最も遅れている「東京都の都議会」が、必死に少子化問題の対策の急務を訴える発言をしている最中に、嘲笑うかの様なヤジを飛ばし、しかも多くの議員と都知事までもが、笑いの対象にするという不謹慎ぶりであった。
当初は新聞の片隅の乗る程度の扱いであったが、女性蔑視の野次は「日本に後進性」を象徴する倫理観の欠如だと、問題視されて批判が拡大して世界からも蔑視の意見が多数、発せられる様になってしまった。
あわてた政権与党の自民党は、ヤジの発言者が名乗り出る様に仕向けて、一番手のキッカケを作った議員一人にその失言の責任を負わせて、幕引きを図り、あとの悪質な暴言ともいえる野次は不問にしてしまう、無責任ぶりを披露した。
それに対して、マスメヂィアもやっと、この都議会自民党の反省しない低劣な倫理観、人権意識の欠如を問題としている。
本日(6月26日)の朝日新聞社説でも、「反省なき議会」と題して、東京都議会の問題が、全国に広がった批判を採りあげて、その暴挙を批判している。
それも、【少子化の問題】に踏み込んだ批判をしているのは、とにかくマスメヂィアを代表する新聞社説も、問題の本質は少子化の軽視を重要問題ととらえる姿勢に転換してきた。
都議会自民党は、非難するにも値しない低次元の議員ばかりだが、問題は国政をあづかる政権の自民党の姿勢である。
少子化が進むのは東京都の関係者が無責任だから進むわけではない。
大都会の生活、仕事の環境、若い人たちの感性が、「結婚しない」、「遅い結婚時期」、「結婚しても子供を持たない」、「子供を持っても一人だけ」を選ぶことだ。
それが、大問題のベースにあることも認識しないで、ただ、第3子の家庭に優遇措置を検討するなど、効果が期待できない政策しか、打ち出せない。
安倍政権と違って、少なくとも民主党政権では「コンクリートから人へ」のスローガンのもとに、子供を持つ家庭への支援を拡大する姿勢を打ち出していた。
実行出来た政策は、ほんのわずかで効果はうすかったが、安倍政権はそれも否定して、白紙に戻し、打ち出した政策は『女性の活用』と「女性が働きやすい環境」を向上させると言う、働き手優先のマトハズレぶりを自慢げに言い出す。
これほど、少子化を加速させる政策を列挙する政権も珍しい。(続)