日本が高度経済成長時代を通じて、自動車産業の抜本的な技術革新によって、品質向上と世界での商品力の飛躍的進化を実現してきた。
2000年代初頭からは、燃料消費率の大幅な向上を、ハイブリッドを先導として、世界での主導権をとって、海外への進出を果たすことを実現した。
しかしこの頃から、その次の技術進化を徹底的に進める革新的な姿勢が衰えるようになっていく。
次世代にはガソリンを一切使用しないEV車(電気自動車)に転換して、自動車産業の支援する流れであるが、日本の経産省は完全に後ろ向きであった。
電気自動車は、ガソリンを一切使用しないといっても、電気を作り出しているわけではないから、電源から充電しておかなければならない。
使用する電力は、まだ大半が化石燃料(石油、天然ガス、石炭)を燃焼させて発電するから、実質的には化石燃料で走っているようなものである。
ところが、日本以外の先進国では、電気自動車の普及の将来を見越して、ガソリン車の比率を下げる方向で、法制化による誘導を決めていた。
特に、EU諸国は目標年を定めて、石油利用の自動車の比率を下げる法制度決めて、国策としてEV車を普及させて技術革新の目玉とする戦略だ。
これを追って、中国政府も期限の目標を決めて、一定比率以上のEV車の普及を長期戦略として、中国の自動車企業に技術革新を促している。
民間企業は、これを捉えて、自動車用電池の技術革新を、最重要の根幹技術戦略に格上げして、研究と量産技術への投資を拡大している。