ドコモ口座のなりすまし詐欺の事件は、これから損害額の広がりが判明するだろうが、杜撰なシステムの管理体制が、お粗末すぎる。
ドコモと取引がない人の銀行口座から、勝手に自社の口座に振り込ませていて、不審に思った本人がクレームを言い出すまで、管理していなかった。
原因はドコモ口座の新規開設時に、本人確認が全く実施されていないで、銀行口座ナンバーと暗証番号が一致していれば、なりすましが簡単にできた。
しかも、一年以上も前に、りそな銀行の口座からの不正振り込みのトラブルが発生していたのに、その時には原因究明もしないで、対策を怠っていた。
NTTドコモは、民営化された企業であるのに、顧客の安全性や信用を重視する姿勢が、全く欠如していたことが判明している。
お役所体質の電電公社の杜撰な管理感覚を引きずった首脳陣が、独占的地位に安住してきた悪い体質は、20年経っても改善している様には見えない。
この際には、徹底的に『顧客の立場に立った安全システム』に改革するまでは、お金を扱う事業への参入を差し止めるべきであろう。
取引銀行の方にも、大きな落ち度があると言わざるを得ない。
大手のドコモであるからと甘い判断をしたまま、顧客の損害や不信感を、ほとんど考慮しないで、大量の入金取引を無管理のままに放置していた。
顧客が自分の口座のお金を守るには、頻繁に通帳記入をして、全ての入出金をチェックする必要がある。
これが、デジタル時代のお金の管理システムの実態とは、あきれ返るしかない状況であり、政府の責任も大きい。