東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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本物は贋作よりも売りにくい

2010-09-11 | 経営の気づき
先日、まことに奇妙な話に巡り合った。それは、本物の方が、偽物よりも売りにくいという話である。製品は、自動車のガラス・コーティング。これを新車の時に塗っておくと、ワックスを塗る必要もなく、ただ水洗いするだけで、光沢がいつまでも保てる。

本物の商品だと、一度塗ると、10年間は再加工の必要性がない。しかし、再加工の必要性がないから、商売にはなりにくい。したがって、メーカー系のディーラーでは、この本物の商品を使わず、2~3年しかもたないものを使っている。

しかも、新車のときにこの加工処理をするのはまずいそうである。半年程度、車を使って後に、加工処理しないと、最善の加工処理が出来ないとか。しかし、新車販売直後にこの加工処理を販売しておかないと、時間が経過した後では、営業も仕掛けにくい。したがって、ディーラーでは、あまり好ましくないタイミングで、加工処理している。

この矛盾を知って、愕然とした。消費者のためではなく、自分たちの商売を優先させたこの対応、私は納得できない。