世界でもっとも貧しい大統領から２

1935年生まれ、御年80歳のホセ・ムヒカ元大統領が、来日しTVでもその生活ぶりが紹介された。大統領の給料は日本円で131万円、そのうち90％は慈善事業と所属する政党に寄付し月に10万円程度で生活。大統領専用車には乗らず1987年製のフォルクスワーゲンで自らハンドルを握って移動する。
農場がある自宅ではよれよれのジーンズとポロシャツ。どこにでも居るような好々爺だが、青年時代から極左武装組織でゲリラ活動。逮捕され13年間の獄中生活も送る。1995年左派中道政党から立候補して政治の道へ。2010年3月1日から2015年3月1日まで第40代ウルグアイ大統領。
2013年、大麻の所持、使用、栽培を合法化して世界の注目を集めた。
「弾圧して、また弾圧して事態は悪くなった。アインシュタインも言っています。もし事態を変えたいのなら、同じことをやっていてはだめだと。我々は魔法の処方箋を持っているわけではない・・・我々が経験しようとしていることは、麻薬組織から市場を奪おうとする道です。顧客を知る、誰がいつ消費するかを知る。使いすぎる者がいたならば、健康上の問題を持っているぞ。と言うことができます。非合法であり続けるならば、このような仕事を行うことはできません・・・我々は、決してマリファナや麻薬の消費に賛成しているわけではありません。反対です。それは中毒です。我々が望むのは麻薬組織と闘うことです。麻薬の消費を支持してはならない。麻薬中毒は苦しみを与えるものです。人々が中毒にならないように闘わなければなりません。この地球上で唯一、価値ある中毒は愛だけです・・・」
2014年5月、マリファナに関する法律は施行された。ムヒカ大統領は「実験」の結果を評価するまでには「少なくとも3年から4年はかかると思う。計画は成功するかどうかわからない」とも語っている。
「世界でもっとも貧しい大統領　ホセ・ムヒカの言葉」（1000円+税）
今月は、この本の抜粋だけになりました。著者の佐藤美由紀さんは、お隣、福山市出身。まだ読んでいない方が居られたら、是非、買って読んでみてください。「ホセ・ムヒカ　世界でいちばん貧しい大統領」アンドレス・ダンサ著もお薦めです。
　　　　　　　　2016年4月27日　　　　　　　　　　笹原　真二