卓真の結婚
9月27日、長男卓真が結婚式を挙げた。9日の妹尾克弥の事故が起きた時は結婚式どころではないというのが本当だった。無事手術も成功し、すぐにリハビリにも入るという順調な過程をたどっていたので、少しだけ安心して、結婚式を迎えることができた。
卓真が生まれた日は、不思議な気持だった。子供に子供ができたような?でも世話はないもので、勝手に大きくなってくれた。そんなことを言うと家内は「私がちゃんと育てたんだ」なんてことを言う。昨年亡くなった親父は末っ子で本家から分家してもらった家だ。私が生まれた頃には、本家の祖父母はすでに他界し、お袋の実家の祖父母も亡くなっていていた、
私はおじいさん、おばあさんというものを知らずに育った。だから、子供心に友達の家にいるおじいさん、おばあさんが、すごくうらやましかった。そんなこともあって、私たちは結婚当初から同居した。決して遊んでいたわけではないが、仕事、青年会議所活動などで家を空けることが多く、代わりに、親父やお袋がいろんなところへ遊びにつれていってくれた。また60歳という若さで亡くなった家内の里、池田の父は、初孫ということもあって本当に可愛がってくれた。当時赴任していた鳥取へ連れて帰っては海へ連れて行ってくれたりと、4人の祖父母の愛情をいっぱい受けて卓真は育っていった。
そんな卓真をはじめとする4人の子供たちは、いつの間にか大きくなっていったが、それでも、結婚するというイメージはできていなかった。一昨年の秋だったか、うちに彼女を連れてきて、後で聞いてみると「結婚をしようと思っている」。それから考えれば少し長いようにも思ったが、すべて自分たち二人で、日程、式場を決めて27日を迎えた。
卓真が生まれた時、不思議だなと感じた。その時と同じような不思議な気持ちになったのが、親父の葬儀の日だった。新しい命が生まれた時と、人の一生の終わりを告げた時、生と死、正反対の出来事だったが、前者は喜びと少しの不安が入り交じり、後者は寂しさと少し安堵したような気持が入り交じった。
結婚式当日、まず燕尾服に戸惑う、神前結婚でない、三々九度も無い、高砂の席には仲人がいない。自分たちの結婚式を思い出しながら時代の流れを感じた。いつもならテーブル席から見ていた花束贈呈、29年前は親父とお袋が立っていた。その場所へ、私たち夫婦が立っていた。こうやって世代のバトンが繋がっていくかのような1日は無事過ぎていった。
2014年10月27日 笹原 真二
追伸 二人は、これから新しい人生の旅立ちに入る。決して良いことばかりではない。代わりに悪いことばかりでもない。良いことも悪いこともいっぱい経験して、幸せを感じることのできる心を養って欲しい。
9月27日、長男卓真が結婚式を挙げた。9日の妹尾克弥の事故が起きた時は結婚式どころではないというのが本当だった。無事手術も成功し、すぐにリハビリにも入るという順調な過程をたどっていたので、少しだけ安心して、結婚式を迎えることができた。
卓真が生まれた日は、不思議な気持だった。子供に子供ができたような?でも世話はないもので、勝手に大きくなってくれた。そんなことを言うと家内は「私がちゃんと育てたんだ」なんてことを言う。昨年亡くなった親父は末っ子で本家から分家してもらった家だ。私が生まれた頃には、本家の祖父母はすでに他界し、お袋の実家の祖父母も亡くなっていていた、
私はおじいさん、おばあさんというものを知らずに育った。だから、子供心に友達の家にいるおじいさん、おばあさんが、すごくうらやましかった。そんなこともあって、私たちは結婚当初から同居した。決して遊んでいたわけではないが、仕事、青年会議所活動などで家を空けることが多く、代わりに、親父やお袋がいろんなところへ遊びにつれていってくれた。また60歳という若さで亡くなった家内の里、池田の父は、初孫ということもあって本当に可愛がってくれた。当時赴任していた鳥取へ連れて帰っては海へ連れて行ってくれたりと、4人の祖父母の愛情をいっぱい受けて卓真は育っていった。
そんな卓真をはじめとする4人の子供たちは、いつの間にか大きくなっていったが、それでも、結婚するというイメージはできていなかった。一昨年の秋だったか、うちに彼女を連れてきて、後で聞いてみると「結婚をしようと思っている」。それから考えれば少し長いようにも思ったが、すべて自分たち二人で、日程、式場を決めて27日を迎えた。
卓真が生まれた時、不思議だなと感じた。その時と同じような不思議な気持ちになったのが、親父の葬儀の日だった。新しい命が生まれた時と、人の一生の終わりを告げた時、生と死、正反対の出来事だったが、前者は喜びと少しの不安が入り交じり、後者は寂しさと少し安堵したような気持が入り交じった。
結婚式当日、まず燕尾服に戸惑う、神前結婚でない、三々九度も無い、高砂の席には仲人がいない。自分たちの結婚式を思い出しながら時代の流れを感じた。いつもならテーブル席から見ていた花束贈呈、29年前は親父とお袋が立っていた。その場所へ、私たち夫婦が立っていた。こうやって世代のバトンが繋がっていくかのような1日は無事過ぎていった。
2014年10月27日 笹原 真二
追伸 二人は、これから新しい人生の旅立ちに入る。決して良いことばかりではない。代わりに悪いことばかりでもない。良いことも悪いこともいっぱい経験して、幸せを感じることのできる心を養って欲しい。