甍の上で

株式会社創瓦 社長 笹原真二のブログです。

今年の梅雨は少し変ですね。

2014-06-29 19:23:02 | Weblog
 今年の梅雨はやはり少し変ですね。関東、東北、北海道にかけて異常に雨が多かったり、東京では考えられないような雹が降って大混乱になったり、うちの方では6月は、.ほんの少しの雨も含めて述べで12日、雨は降りましたが、仕事に支障をきたしたのは、4日、6日、18日の3日間だけで、あとはほとんど屋根の上で仕事が出来ました。それに比べれば、東日本では連日、雨のニュースがあったように感じました。
 13年前の今日は、うちで大きな事故があった日です。うちに30年以上勤めていた親戚のおじさんが屋根から落ちて、翌日亡くなるという事故が起きました。だから、お昼を食べたあと、好きだったビールとおつまみを持って、そのおじさんの墓参りをしてきました。あの日のことは、今でもはっきりと思い出すことが出来ます。安全対策も、十分とっていなくて起きた大事故です。あれから、ほとんどの現場で足場をするようになりましたが、ちゃんと、足場をしていたら、そんな事故は防ぐことができたと思います。事故があってから悔やんでも取り返しはつきません。まだまだこの業界は足場無しで仕事をしている業者は少なからずいます。みなさん、安全が第一です。安全な場所から仕事をしないと、屋根もきれいには葺くことはできません。足場代は少しかかりますが、安全が一番、安全対策に力を入れて、よい仕事をお施主様に提供していきましょう!
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6月のマンスリー

2014-06-28 09:15:48 | Weblog
    法事は今生きている人のためにする
 30年ほど前、本家の伯母さんの一周忌の法要だったであろうか?菩提寺、成福寺の今は亡き老僧が会食の時「みんな、法事は、こうやってご馳走を食べて、亡くなった人のためにすると思っているかもしれんが・・・本当は、今生きている人のためにするんじゃ!・・・こういう時じゃないと、みんなが顔を合わすことは無かろうが?法事は一族、親族が集まって顔を合わせて、あの人はあそこで頑張っとる。この人もあそこでというように、一族、親類縁者の確認をして、わしも頑張らんにゃあいけん!と、明日からの生きる活力のためにするのが法事なんじゃ!」と言っていたことが思い出される。
 20日、お袋と、墓掃除に行く。うちは親父が本家から分家してもらった家だから、当然お墓は無かったが、春の彼岸に合わせて建立した。うちの墓と同時に大阪の伯父さんの墓、本家の墓にも水立ての水を替え、花の木を供えた。本家の墓地には石塔がいっぱいある。墓標の文字も消えかかっているものもあれば、折れている古い物もある。さらに本家の上にある墓地は、本家が管理している、実家(じっけ)の墓だ。ここにも古い小さな墓標がけっこうある。実家はもう絶えているが、その末裔として花の木を供えた。
 我々は何人の人から命をもらったのだろうか?親父が居てお袋がいる。おじいさん、おばあさんは4人いる。3代前、曾爺さん、曾婆さんは8人いる。5代前の曾々々爺さん、婆さんは32人。10代前の先祖は1024人という数字が出てくる。自分までに至る先祖の総数は数の上では2,046人になるという。10代前は約250年前、江戸時代中期を少し過ぎたくらいだ。250年ほどの間に本当に多くの人から命を頂いている。この中の誰かが居なかったら、今の自分はこの世にはいなかった。40代前、1000年前の先祖は一体何人いるのだろうか?
 22日の日曜日は親父の命日、一族、親戚が集まって無事一周忌の法要を終えることができた。心配していた雨も、寺参りのころには上がった。昨年、23日日曜日の葬儀の日も朝起きた時は雨だったが、ほどなく雨は上がっていた。早いものであれから1年。親父が亡くなる前と、別に変ったことはない。どうにかこうにか仕事もできている。親父が亡くなったという実感もあまり無かった。しかし、ここに居ないという現実がある。25日だったか親父が亡くなって、初めて親父の夢を見た。どんな夢だったか思い出すことは出来ないが、もう少し夢を見ていたかった。
法要の会食の席で、かつて成福寺の老僧が言った言葉を紹介した。昨今、なんでもかんでも簡素化したがる傾向がある。それを否定するつもりはないが、少し無理を言って世話を掛けたり、掛けられたりがいい。我々は多くの先祖の大きな世話のお蔭で、今を生きている。
        2014年6月28日        笹原 真二
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久しぶりの雨?のように感じます。

2014-06-18 18:36:00 | Weblog
 梅雨に入ってから、久しぶりの雨のように感じます。実際、小田川の水も少なくなってきていたからそう感じるのですが、日記をひも解いてみると11日と12日は昼前に少し雨が降っていました。昨夜から弱い雨が、今日の午前中はけっこう降ったような気がします。
 仕事は、昨日切りがついた現場がほとんどで、今日はエアポケットみたいに行く現場が無くなって休みにしました。雨も降ったからちょうど良かったですね。消費増税の影響か見積もり依頼も少なくなったような気もしますが、根本は過疎化で人が少なくなっているのが問題です。
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今年の梅雨は?

2014-06-14 18:22:55 | 瓦のこと
 関東,東北をはじめ東日本は梅雨入りしてから大雨の報道が連日なされていますが、岡山広島は意外と雨が降りません。このところ降っても短い時間だったり、予報では降る降ると言いながら当たらないことが多いです。これは例年、同じようなことが言えて、結果よく降るのは6月の25日以降、7月の第1週です。長引くときは2週の後半までというときもありますが、今年の梅雨はどんなことになるでしょうか?
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梅雨入りしました・

2014-06-08 18:26:50 | 瓦のこと
 4日から、中国地方も梅雨入り。3日連続の雨が降りました。とは言っても5日は明け方には上がって、いわゆる親方天気で仕事をさせてくれましたが。これも変な天気で、うちから5kmくらい西北の位置にある福山市の山野というところは午後から雨で仕事になりませんでした。井原はちゃんと仕事ができたのに・・・3日の仕事が終わってから、首左肩にかけて激痛が。これも朝起きた時から違和感があったのですが、それでも忙しいから無理して仕事をしたら案の定、仕事が終わったとたんに腕が上がらなくなって、すぐ中国鍼に行きましたが・・・それでも痛みは取れなくて6日、近くの森本整形外科に行ってMRIを撮ったら、首のヘルニアの症状が出ているとのことでした。痛み止めをもらって飲んでやっと一息つきました。なんせ、左腕は頭の上に以ていっておかないと痛いし、一息ごとに痛みはズキンと響くし・・・まだまだ若いはずなのですが、そういう年齢の入り口にきたのでしょぷか?
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甍会の総会、頑固者の話

2014-06-01 20:39:45 | 瓦のこと
 昨日、今日と尾道で、瓦の勉強会、NPO法人日本瓦葺技能継承甍会の総会が開かれました、尾道という町は、浄土寺、西国寺等、地方において国宝や国の重要文化財が多く、なぜ、地方の狭い坂の街に多くの古いお寺があるのか不思議に思っていましたが、古来より瀬戸内の港町で大名に支配されず、戦国時代の大阪の堺のような街であったそうです。鎌倉時代から多くの大店、今でいう商社があって、それらの大店からの寄進によって競うように立派なお寺が建立されたのでしょうと、尾道市の文化財保護課の西井さんが教えてくださいました。
お寺仕事に入りかけた30年前、尾道のお寺巡りを一人で回ったことが懐かしく思い出されました。改めて奈良の古寺を思わされるようなお寺、いぶし瓦が還元しきれずに赤茶けた瓦になっている、屋根は、今から50年くらい前、斑鳩の最後の宮大工と呼ばれた西岡常一棟領と瓦の昭和の大名人井上新太郎さんが組んで修復した屋根は、いまだ崩れる気配もなく、個性あるいびつないにしえの瓦が荒々しく整然と葺かれ、また繊細に葺かれています。良いものを見るということはやはり刺激になりますね。
 またこの会がいいのは、面白い人たちに会えることでしょうか?年は私よりずいぶん若いけど、静岡に永田君というものすごく上手な職人さんがいます。人当たりのいい頑固者なんですが、彼の話を聞いて、いつも勉強させてもらっています。私がこの会へ参加させてもらうようになったきっかけは、永田君の親方である、この甍会の理事長、塚本さんがやった仕事の写真を見たのがきっかけでした。やはりものすごく上手かったですね。彼の仕事の写真が手本、参考になりました。そんなところで仕事をしているから、永田君は当然、上手くなりるわけですが、彼のの場合はそれだけじゃないですね。持って生まれたあの頑固な性格が、幸いしたのではないかと思います。今回も永田君が葺いたシンプルな山門の写真は最高でしたね。たぶん、200年後には、静岡の文化財になるでしょう。私も今、200年後には井原の文化財になると思われる仕事に取り組んでいます。
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5月のマンスリー

2014-06-01 20:38:02 | Weblog
    意識改革という言葉を意識しておきたい
 昨年から、岡山県瓦工事協同組合では、ガイドライン工法の普及に力を入れている。「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」は台風19号、さらには23号の被害を受けて、平成13年から全日本瓦工事業連盟が全国の瓦工事業者に向けて指導普及してきた。しかし、気候風土文化の違う様々な地域においては、決してガイドイン工法が浸透しているわけではないのが現状だ。
自然災害の少ない岡山は、台風19号、23号では被害が出たものの、ガイドラインで謳っている軒瓦、ケラバ瓦の3点留め、平瓦の全数釘打ち、棟の鉄筋の配金等の補強をしている工事業者は、そう多くはなかった。うちで言えば、40年前は平瓦に釘を打つということは無かった。それが、住宅金融公庫仕様で4枚に1枚釘留めをするようになり、昨年までの平瓦緊結率は70%、また棟においても普通の練り土から、石灰等を混ぜて作った南蛮漆喰に変えた。それなりに試行錯誤しながらやってきた。だから、強さには自信を持っていた。
しかし、昨年、岡山県瓦工事協同組合は、山陽新聞一面を使って「ガイドライン工法」の広告を出した。そうなると、3点留めにしていない、鉄筋を入れていないでは、言い訳が立たなくなるという意図で普及を推し進めた。
今月18日、19日と、全日本瓦工事業連盟の総会(新潟)に参加した。2日目の分科会では、どんなことがテーマになるのか楽しみだったのだが、議題は、岡山と同様、「ガイドラインJ(和型)」の普及が中心となった。全国の状況も、「ガイドライン工法」という言葉が出て13年、やっと前に進みだした。「付加価値を付けた分のお金がもらえるのか?」「今までのやり方で対処出来ているじゃないか?」等、岡山の理事会と同じような話が聞かれ、全国的な進捗率も高くないことが伺われた。そんな中、東北の人が「ガイドライン工法で仕事をしたところの屋根は崩れなかった」という一言は、印象に残った。
実はガイドライン工法は、新築物件だけに適用されるという。だからコンプライアンスについても、葺替工事は除外されている、これもおかしな話だ。他にも細部について議論しだすと重箱の隅を突っつくような話になって、それは、岡山の理事会でも、新潟の分科会でも同じような状況が起きた。本来の「お施主様に良い仕事を提供する」という話からそれてしまうのだ。
物事を変えていこうとするとき、「やらない理由づけ」はいくらでも出すことが出来る。しかし「やる理由づけ」は表面的な言葉になってしまうことが多く、説得力に欠けることが多い。今回の総会に出席してふと「意識改革」という言葉が浮かんできた。月並みな言葉かもしれないが、意識しておきたい言葉だ。     2014年5月28日             笹原 真二
追伸  今回、岡山の組合からは、かつてない6名という大所帯での総会への参加となった。これも組合の意識改革の表れだ。
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