分かっているつもりは根拠が無い裏返し
今までの経験から、屋根の出来上がりをイメージすることが出来れば、仕事は出来ると思っていた。ところが、今、その考え方が自分の中で崩れてきている。漠然としたイメージでは仕事は出来ない。そのイメージの中にちゃんと数字という根拠が入らないと本当の仕事ができない。
妹尾英明が言うように、「僕は、社長みたいに、感性では瓦が葺けない。根拠がないと葺けない。ちゃんと根拠となる数字で、角度で示してくれ!」「根拠が無いから、やってみて、これは悪かったから、やり直そう。ということになるんじゃないか!早く仕上げたいという気持ちは分からんでもないが、そんなに焦らんでもいいでしょ!やり直すような仕事はやりたくない。手間を掛けなきゃいけないところは、手間が掛かるんだから、社長は言っていることと、やっていることが違うじゃないか!」戸田さんの現場でも、それ以前にも大きな声で、何度か指摘されたことがあった。言わんとすることは分かるのだが、端折っても出来ることもあるものだから、そのあたりは察してほしいと思っていた。しかし、精度を上げていけば行くほど、妹尾英明の言う通り根拠となる数字が必要になってくる。
今、入っている道通神社の社務所(切妻・掛瓦・降り丸2本入り)の棟で苦しんでいる。簡単に原寸図を描いて、これでいけると思ったのだが、微妙な狂いから何度か仕事も中断して、やり直す羽目になった。原因は何か?「精度が悪かった」が一番、次が今回の大きな問題で、その精度(数字が)微妙に狂いだした時、その数字に対してちゃんと向き合わず、違和感を感じながらも自分の都合のいい数字に持って行ったことだった。特に棟になると、肌のしの勾配によっては水平寸法の2分や3分の数字が見付け寸法では意外と大きな違いを生み、結果のしの割付にも影響してくる。よくよく考えてイメージしてみれば分かることなのだが、それが出来なかった。
確かに、仕事の中では、思いも由らないところに落とし穴が待っている。まさか、この現場でこんなに苦しむとは思いもしなかった。
現場に出て、本当に問題意識を持って観ているか、失敗して痛い目をしないかぎり見逃してしまう。自分はそこそこ分かっているつもりだった。それでなんとかやってきたのだが、それでは通用しないということを痛感している。
今年は、続いて道通神社の八幡様、寒水寺の客殿、さらには妙政寺の本堂と、神社仏閣、特殊な仕事に多く恵まれている。そんなことを考えた時、今回の件は「もっと謙虚に仕事に取り組め!分かっているつもりでは分かってない!ちゃんと根拠を示せ!精度を上げろ!」と、自分の考え方に、様々な課題を突き付けてきた。
2014年8月28日 笹原 真二
今までの経験から、屋根の出来上がりをイメージすることが出来れば、仕事は出来ると思っていた。ところが、今、その考え方が自分の中で崩れてきている。漠然としたイメージでは仕事は出来ない。そのイメージの中にちゃんと数字という根拠が入らないと本当の仕事ができない。
妹尾英明が言うように、「僕は、社長みたいに、感性では瓦が葺けない。根拠がないと葺けない。ちゃんと根拠となる数字で、角度で示してくれ!」「根拠が無いから、やってみて、これは悪かったから、やり直そう。ということになるんじゃないか!早く仕上げたいという気持ちは分からんでもないが、そんなに焦らんでもいいでしょ!やり直すような仕事はやりたくない。手間を掛けなきゃいけないところは、手間が掛かるんだから、社長は言っていることと、やっていることが違うじゃないか!」戸田さんの現場でも、それ以前にも大きな声で、何度か指摘されたことがあった。言わんとすることは分かるのだが、端折っても出来ることもあるものだから、そのあたりは察してほしいと思っていた。しかし、精度を上げていけば行くほど、妹尾英明の言う通り根拠となる数字が必要になってくる。
今、入っている道通神社の社務所(切妻・掛瓦・降り丸2本入り)の棟で苦しんでいる。簡単に原寸図を描いて、これでいけると思ったのだが、微妙な狂いから何度か仕事も中断して、やり直す羽目になった。原因は何か?「精度が悪かった」が一番、次が今回の大きな問題で、その精度(数字が)微妙に狂いだした時、その数字に対してちゃんと向き合わず、違和感を感じながらも自分の都合のいい数字に持って行ったことだった。特に棟になると、肌のしの勾配によっては水平寸法の2分や3分の数字が見付け寸法では意外と大きな違いを生み、結果のしの割付にも影響してくる。よくよく考えてイメージしてみれば分かることなのだが、それが出来なかった。
確かに、仕事の中では、思いも由らないところに落とし穴が待っている。まさか、この現場でこんなに苦しむとは思いもしなかった。
現場に出て、本当に問題意識を持って観ているか、失敗して痛い目をしないかぎり見逃してしまう。自分はそこそこ分かっているつもりだった。それでなんとかやってきたのだが、それでは通用しないということを痛感している。
今年は、続いて道通神社の八幡様、寒水寺の客殿、さらには妙政寺の本堂と、神社仏閣、特殊な仕事に多く恵まれている。そんなことを考えた時、今回の件は「もっと謙虚に仕事に取り組め!分かっているつもりでは分かってない!ちゃんと根拠を示せ!精度を上げろ!」と、自分の考え方に、様々な課題を突き付けてきた。
2014年8月28日 笹原 真二