甍の上で

株式会社創瓦 社長 笹原真二のブログです。

書中、お見舞い申し上げます。

2012-07-31 20:54:14 | 瓦のこと
 今年も梅雨が上がったら、いつもの年と同じようにものすごい暑さに・・・晴天産業の一番きつい季節です。これからお盆まで、10日少々、お正月ではありませんが、指折り数えてお盆の休みを待っているというのが本当のところです。お盆が過ぎれば風が変わる。9月になれば少し日差しが変わる・・・そう自分に言い聞かせながら毎年、暑い夏を越して行きます。
 明日から、8月、4日の早朝にはロンドンオリンピックに出場している 新谷仁美の10000m決勝が、翌5日の夜7時からは重友梨佐が出場するマラソンがあります。今から本当に楽しみです。
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7月のマンスリー Ⅰ

2012-07-31 20:51:13 | 瓦のこと
     備中黒鳥陣屋鶴見家の祠堂
 昨年の年末、布賀(高梁市備中町)の大黒屋工務店の原田さんから「小さなお宮なんだけど見積りをして欲しい」という電話があった。お宮だったら、奈良のいぶし瓦でと、勝手にイメージを膨らませながら打ち合わせに行ってみると、桁行2間、梁間1間、屋根坪6坪少々の本当に小さなお堂。
NHKの大河ドラマの「峠の群像」や「元禄繚乱」でも放送された「二人の内蔵之助」大石内蔵之助が備中松山藩水谷家(みずのやけ)の改易にともなう松山城明渡しの一件で水谷家の家老鶴見内蔵之助と渡り合う物語。その後、水谷家は今の高梁市備中町布賀近隣3000石の旗本となり、鶴見家が幕末までこの辺りを代官として治めた。その鶴見家の代官屋敷(1800坪)の中にある屋敷神をお奉りしている小さなお堂だった。
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7月のマンスリー Ⅱ

2012-07-31 20:48:45 | 瓦のこと
瓦は広島県の東城もしくは吹屋の近くの塩田焼きの瓦ではないかと思われる石州瓦の流れをくむ本来待瓦(艶のある赤茶けたかわら)、窯の中で還元し切れなかったような瓦が屋敷の中の母屋、長屋門、塀、そしてこの祠堂に葺いてあった。しかし、蔵は新赤、離れは銀黒、母屋の北側の一部に新来待瓦(いずれも石州瓦)が葺かれているが、その新しい瓦に違和感を感じた。
この小さなお堂にどんな瓦を葺いたら良いか?今もって昔の来待瓦の雰囲気を味わうことができる島根県浜田市の亀谷窯業の本来待瓦、これを葺いてみたい。問題は通常の瓦よりずいぶん高価格、高温焼成で非常に行儀が悪い(焼きねじれがひどい)、したがって施工手間が掛かる等・・・
見積りは亀谷窯業の63型、56型そして通常の石州瓦の見積りを提出。3月末、大黒屋工務店さんから亀谷窯業の56型で行きたいという電話が入る。見本でしか見ていなかった瓦を見るため4月7日、浜田の亀谷窯業へ。実際に行ってみると56型の瓦では面白くない。63型でないとこのお堂には合わない。瓦の行儀はイメージしていたよりも良かった。
5月中旬、瓦が納品。改めて見る雁振の大きさに唖然とする。さらにのし瓦。反ったのし瓦を注文したのに、納品されたのし瓦は全部大きく起くっている。雨の日、袖瓦の合端、仮屋根での軒瓦の仮留めと平葺き、左袖は向こうばね系、右袖は逆に尻ばね系が強いような?少々いびつな瓦に不安が過ぎる。
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7月のマンスリー Ⅲ

2012-07-31 20:46:54 | 瓦のこと
6月20日、妹尾英明と現場へ。桟木を打って割り付け、瓦の緊結銅線を出す。
21日、雨、軒先の瓦ぐり、ケラ場のケラぐり作り。これらも思っていた以上に手間取った。
22日、瓦ぐりを仕上げてから現場に行く。午前中で瓦ぐり、ケラぐりを取り付ける。午後から軒瓦の取り付け、初めて扱う瓦のくせが掴めない。
23日、左右の角瓦も含めて軒瓦21枚をやっと付け終わる。
25日、右袖瓦9枚と平瓦3通り(24枚)妹尾英明は上手い。
26日、12通り(84枚)横8寸6分5厘、上り6寸3分の瓦が、1日に1坪少々しか葺けない。焼きねじれの問題より、むしろ金型の問題?瓦の頭と尻の型が合わない。特に軒瓦と1枚目の平瓦。半分以下の厚さまで削った瓦もある。
27日、残りの平瓦4通りと左袖瓦は取り付けることが出来ると思っていたが、左瓦に苦戦、左に回転してくる。7枚付けたところでタイムアップ。帰りの車中、頭の中を過ぎることは、「亀谷の瓦を使ったのが間違いだったのか?」車を止めて亀谷窯業に左袖20枚を携帯電話から追加注文。左袖をやり直し。
28日、左袖瓦を外してやり直しの準備。銅線もケラぐりも全てやり直し。こんなに躓くとは全く予想外だった。やり直しの準備さえ思うように進まない。
29日、どうにか左袖が付く。巴を合端、棟鬼は登り太鼓を用意していたが、古い棟鬼の方が良いような気がしてお施主様と棟梁に提案。急きょそれを洗って修理して使うことにした。棟の台のしは積めると思っていたが、のしどころか雨も降りだして鬼も付けることが出来なかった。亀谷窯業に鳥休みを注文。
30日、現場に着く前から雨が降り出す。昼まで現場の片付け。一日中雨。
7月2日、鬼を取り付けて棟の台巾に糸を張って台土を入れる。選別した大のし、直に近いものを入れる。7寸5分の大のし22枚を納めるのに午後1時近くまでかかる、30分の昼食休憩を取って、割りのしを積む。起くりのきついのしから順に。この起くりのしが青海波のように積めて案外面白い。しかし仕事は思うように進まない。
3日、雨天休業。
4日、10時までに鳥休みを着けて雁振も納めて無事?やっとの思いで終了。片付けも終え、11時過ぎに現場を後にした。午後から瓦工事の完了を天の龍神様が喜んでくれたのか?大雨が降った。         日記から抜粋
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7月のマンスリー Ⅳ

2012-07-31 20:45:19 | 瓦のこと
終わってみれば、「面白かった」のひと言。しかし瓦の基本を叩き付けられたような現場だった。全部銅線で留めて最高の防災屋根に仕上げた。瓦に変な細工をして、それに理屈をつけて防災瓦だと言っている昨今、そんな下手な細工は一切していない素朴な瓦に向き合うことが出来たことは貴重な体験だった。
瓦を削った切粉にまみれながら、「こんな瓦、二度と使うもんじゃない」と思いながら葺いたいびつで不揃いの瓦が、屋根の上で、心地よい雰囲気を醸し出している・・・そんな屋根に仕上がったことに少しばかり自己満足している。
改めて、面白い仕事に巡り合うことが出来た事に感謝したい。 
2012年7月25日              笹原 真二
追伸、 この現場、採算だけで考えればほめられたものではない。それでもこの仕事はやってよかった仕事だ。この経験が必ず活かされる日が来る。現に我々が試行錯誤しながらやっている、あのひどい野地ムラを修正している仕事と根本は全く同じだ。今回は野地ムラでなく、瓦ムラを修正した。
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昨夜の雨はすごかった。

2012-07-07 07:22:08 | Weblog
 昨夜から明け方にかけての雨はすごかったですね。土砂降りの雨音で何回か目を覚ましました。特に、屋根の葺き替え中の現場があるときになって・・・特に昨日なんかは瓦を取って屋根板の上にはルーフィングとシートだけの状態ですから本当に怖いですね。雨漏りを起こしているんじゃないかなんて頭をよぎって・・・あんな土砂降りの状況では手も足もでなくなります。本当に眠れなくなります。今のところ、お施主様から何も連絡がないから大丈夫だと思います。すでに、担当の者は現場に向かっていますが・・・
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鶴見家の祠堂

2012-07-06 16:00:17 | 瓦のこと
 備中黒鳥陣屋(高梁市備中町黒鳥の代官所)(水谷家改易の為、備中松山城の城受渡し一件で大石内蔵之助と水谷家の家老鶴見内蔵之助が談判し、抗戦派を説き伏せて開城)その鶴見家の屋敷神の祠堂の瓦工事が4日、やっとの思いで仕上げることが出来ました。予定の人工数は大幅に越えてしまいましたが・・・それにしても終わってみれば面白い瓦でした。ひどい瓦と言えば本当にひどい瓦でしたが、とにかく、1日に平瓦が84枚しか葺けませんでした。暑い日だったせいもあるかもしれませんが、ほとんどの瓦を削りながらじゃないと思うような仕事が出来ません、そんなわけで1坪少々しか葺けない、左袖は外側に回転していってまるでだんだんプロペラみたいに9枚の袖をつけるのに小袖瓦の入替え、工事のやり替えを含めて6人工を費やすというひどい結果に、それでも面白かったですね。瓦工事の基本を改めて突きつけられたような気がしました。のし瓦も、ものすごいいびつなのし瓦で、反ったのし瓦が欲しいと注文つけていたのに納入されたのし瓦は見事に真逆の大起くりののし瓦が、でもそれはそれで良かったみたいです。青海波のようなのし積みになって意外と気にいっています。それにしても1枚1枚を見れば本当にいびつな瓦ばかりでした。そんな瓦が屋根の上では良いハーモニーを醸し出してくれています。また、この亀谷窯業(石州瓦)の本来待瓦で仕事してみたいですね。
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新谷仁美の激励会。

2012-07-06 15:31:49 | 陸上競技のこと
 7月1日、ロンドンオリンピック陸上競技女子5000m、10000mに出場する新谷仁美の激励会が井原市の地場産業振興センターで行われました。笑顔で各テーブルを回って写真撮影にも気軽に応じて・・・ものすごく気を使っているような・・・TVで見る天延キャラの発言とは」裏腹なような繊細さを感じました。高校時代から彼女を見てきましたが、超高校級として実業団に入って伸び悩んだり・・・彼女なりにいろんな経験をしてきたみたいです。そんなことを思うと。あの伸び悩んだ時期というものが彼女にとっていろんな意味で良かったんじゃないかなと感じています。新谷仁美にとって、ロンドンオリンピックは通過点にすぎない、私の予想が当るか外れるか分かりませんが、5000m、10000mで両種目入賞を果たすと思っています。本人も言っていましたが「みなさんが盛り上がるようなレースをします」本番のレースが楽しみです。がんばれ!新谷仁美!
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今日も雨が・・・

2012-07-06 15:21:08 | Weblog
 今日も雨が降り出しました。雨漏りしているという家に修理に行こうと、午後1時過ぎに地下足袋をはいていると雨が・・・しばらくすると雨も上がるかなと思って地下足袋を履いたままでいましたが、そんな姿をあざ笑うかのように雨は、強くなったり弱くなったり本当にいやな雨です。さっき休憩室の外、5mくらいな小川の向こうに野ウサギの子供が出てきて小雨の中、葉っぱ食べていました。写真に撮ったのだけど、あんまり小さいのでよく映っていないかも?それにしても今年の梅雨、中途半端によく降ります。
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6月のマンスリー

2012-07-01 22:58:53 | 陸上競技のこと
      さすがは福士加代子!  がんばれ!新谷仁美!
 弟96回日本陸上競技選手権大会は、6月8日~10日大阪の長居陸上競技場において開催された。ロンドンオリンピックへの最終選考会、暑い日中を避けて少しでも記録が出るようにと決勝種目は夕方以降へと配慮され、さらにNHKが3日間TV中継。8,9日においては午後7時半からゴールデンタイムにライブ中継、いやが上にも選手のモチベーションは上がった。
10日の17時から女子5000m決勝には母校興譲館高校のOG新谷仁美(ユニバーサルエンターテイメント)が出場。マラソンで先にオリンピック出場を決めている重友梨佐と共にオリンピック出場を目指す。(在学当時は主将重友、副主将新谷)同級生がそろってオリンピックへ行くなんてことは陸上競技の世界では前代未聞、そんな夢みたいなことが実現するかと思うと、朝からテレビ中継が待ちどうしかった。
5000mのスタート前、新谷の表情が映し出される。この1本でオリンピックが決まるというプレッシャー、いつもの新谷とは違って落ち着きがない。スタートは牽制しあって400mを77秒(16分04秒のペース、オリンピック参加へのA標準は15分20秒)で通過、新谷はレースの位置取りに迷っているのか?レース全体もぎこちない出足となった。ここで、2日前10000mで2位に入ったベテランの福士加代子(ワコール)が前に出てペースアップ、新谷がすかさず福士に着いた。3000m手前から新谷が前に出て独走状態、見事A標準を切って優勝。その場でオリンピック出場が内定した。ゴール後、新谷は2000mあたりで「福士さんにA標準狙って行け!」と声をかけられ、福士、吉川(パナソニック)両先輩に引っ張ってもらった。と感謝と共に喜びを口にした。
福士は2日前の10000m決勝も、最初から積極的にレースを引っ張った。全盛期の切れはないものの、長年この種目で第一人者を自他ともに認めてきたプライドがこのレースを作った、ラスト1000mで吉川に交わされたもののA標準を切って2位に入る、3大会連続のオリンピック出場をほぼ手中にしていた。だからあえて5000mに出場しなくてもよかった。しかし、福士は5000mに出場。牽制したレースになれば自分がレースを作ろうとして?・・・長年、日本の女子長距離界を引っ張ってきたベテランが若手を奮起させるため?・・・さらに言うならば才能ある新谷仁美をオリンピックに連れて行くため?・・・勝手な想像かもしれないがベテラン福士の味のある走りに「さすが福士!」と賛辞を贈りたい気分だった。
追伸 大器、新谷仁美がオリンピックへ。5000m、10000mの両種目への出場となるだろう。最高にうまく行けば、両種目入賞も夢ではない。マラソンの重友と共に嬉しい報告会が出来たら最高だ。頑張れ!重友!頑張れ!新谷!
あと一月でオリンピックは始まる。 2012年6月28日    笹原 真二
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