不可能を可能に!
「不可能を、可能にする。」という言葉は、大東文化大学に入学した(43年前)当時の陸上競技部の部長村田先生の口癖だった。大東文化大学は、昔から「育成の大東」と呼ばれ、高校総体、国体で上位入賞したような実績のある選手が入学してくるのは稀で、どちらかといえば、高校時代、目立った実績のない選手が入って、「不可能を、可能に!」そうして強くなって箱根駅伝で優勝した。
23日の京都での高校駅伝競走大会で、母校興譲館高校の女の子が「不可能を可能に!」を2年連続で我々に見せてくれた。
一昨年、全国高校駅伝男子の部で優勝した倉敷高校が、女子陸上競技部を立ち上げ、いよいよ女子駅伝に参戦。ケニア人留学生も入学、県内の有力選手も入学していった。
危機感を持った興譲館も昨年、ケニア人留学生レベッカが入学。力はあるものの、試合では、オーバーペースで失敗を繰り返す始末。結果、岡山県予選、中国大会と記録も上がらず、藤井監督は失敗を繰り返すレベッカを外して師走の高校駅伝に挑む決断をした。高校総体出場者は1500mで1人だけ、とてもじゃないが、入賞するなんて思ってもみなかった。
良くて15位のチーム、下手すれば20位台。ところが1区15位から2区で13位、3区で9位、4区で7位、5区がそれを守って7位入賞をした。一区間の失敗も許されない中、駅伝初出場の3区4区の1年生の二人が共に区間4位で入賞の原動力になった。正に「不可能を可能に」した駅伝だった。
今年も高校総体出場はレベッカ一人だけ。岡山県予選では1区こそ首位発進したが、2区で倉敷の留学生に首位を奪われ、3区に渡した時点で30秒差、3区4区で首位を奪い返すと思っていたら、逆に離される。5区のレベッカが40秒差を逆転、逆に1分の差をつけて20連覇をやっとの思いで達成した。
2週間後の中国大会では倉敷高校が優勝。興譲館は2位という結果。だから都大路で入賞するなんて昨年と同様に思いもしなかった。
ところが藤井監督は「状態が上がってきている。入賞します。」という。レースは1区酒井が4kmあたりまで集団を引っ張る展開。徐々に遅れるも粘って16位で中継。2区1km付近でレベッカを応援。走りの状態は良い!最後まで続くかどうか?という不安を打ち消して3位争いを演じながら故障を抱える3区山下へ。痛み止めを飲んで出場した彼女は後半遅れて8位で主将の舛田に。県予選、中国大会と失敗していた舛田が区間6位の7位で中継。アンカー落合は入賞争いをトラック勝負で制して2年連続の入賞の8位を勝ち取った。
留学生レベッカはいるものの、昨年より弱いと思っていたチームが見事な駅伝を見せてくれた。昨年のタイムより20秒余り上回った。彼女たちは2年連続で「不可能を可能に!」を体現してくれた。
2018年12月28日 笹原 真二
「不可能を、可能にする。」という言葉は、大東文化大学に入学した(43年前)当時の陸上競技部の部長村田先生の口癖だった。大東文化大学は、昔から「育成の大東」と呼ばれ、高校総体、国体で上位入賞したような実績のある選手が入学してくるのは稀で、どちらかといえば、高校時代、目立った実績のない選手が入って、「不可能を、可能に!」そうして強くなって箱根駅伝で優勝した。
23日の京都での高校駅伝競走大会で、母校興譲館高校の女の子が「不可能を可能に!」を2年連続で我々に見せてくれた。
一昨年、全国高校駅伝男子の部で優勝した倉敷高校が、女子陸上競技部を立ち上げ、いよいよ女子駅伝に参戦。ケニア人留学生も入学、県内の有力選手も入学していった。
危機感を持った興譲館も昨年、ケニア人留学生レベッカが入学。力はあるものの、試合では、オーバーペースで失敗を繰り返す始末。結果、岡山県予選、中国大会と記録も上がらず、藤井監督は失敗を繰り返すレベッカを外して師走の高校駅伝に挑む決断をした。高校総体出場者は1500mで1人だけ、とてもじゃないが、入賞するなんて思ってもみなかった。
良くて15位のチーム、下手すれば20位台。ところが1区15位から2区で13位、3区で9位、4区で7位、5区がそれを守って7位入賞をした。一区間の失敗も許されない中、駅伝初出場の3区4区の1年生の二人が共に区間4位で入賞の原動力になった。正に「不可能を可能に」した駅伝だった。
今年も高校総体出場はレベッカ一人だけ。岡山県予選では1区こそ首位発進したが、2区で倉敷の留学生に首位を奪われ、3区に渡した時点で30秒差、3区4区で首位を奪い返すと思っていたら、逆に離される。5区のレベッカが40秒差を逆転、逆に1分の差をつけて20連覇をやっとの思いで達成した。
2週間後の中国大会では倉敷高校が優勝。興譲館は2位という結果。だから都大路で入賞するなんて昨年と同様に思いもしなかった。
ところが藤井監督は「状態が上がってきている。入賞します。」という。レースは1区酒井が4kmあたりまで集団を引っ張る展開。徐々に遅れるも粘って16位で中継。2区1km付近でレベッカを応援。走りの状態は良い!最後まで続くかどうか?という不安を打ち消して3位争いを演じながら故障を抱える3区山下へ。痛み止めを飲んで出場した彼女は後半遅れて8位で主将の舛田に。県予選、中国大会と失敗していた舛田が区間6位の7位で中継。アンカー落合は入賞争いをトラック勝負で制して2年連続の入賞の8位を勝ち取った。
留学生レベッカはいるものの、昨年より弱いと思っていたチームが見事な駅伝を見せてくれた。昨年のタイムより20秒余り上回った。彼女たちは2年連続で「不可能を可能に!」を体現してくれた。
2018年12月28日 笹原 真二