甍の上で

株式会社創瓦 社長 笹原真二のブログです。

大寒の 快晴の中 屋根の上 予定外でも 出足良好

2022-01-29 19:49:17 | Weblog
    快晴の大仕事
 大仕事に入る前は、過去には、妙政寺の本堂とか、笠岡の松枝さんの現場とか、葺き替え工事に入る前は、憂鬱で「いやだなあ」と思いながら当日を迎えた。

 いつものことだが、受注が決まったときは、ものすごく嬉しい。しかしこれから仕事に入るという時は、ナーバスになった。当たり前のことだが、人様の家の、屋根を丸裸にするわけで、当然、シートの雨養生が悪ければ、雨漏りを起こす、大切な財産を台無しにする恐れもある。勿論、天気予報に注意しながら、仕事の段取りを組むのだが、そんなプレッシャーからいつも憂鬱になっていた。

 今年の、大仕事、川井さんの母屋の葺き替えは、昨年6月頃、「いつでもいいからやってくれ」と言われて受注。屋根面積90坪の本瓦葺きの大仕事、井原では、30年程前に仕事をさせてもらった戸田さんに続いて2件目の本瓦葺き。
神社仏閣の本瓦葺きの仕事は時にあるが、民家の本瓦葺きの仕事を再びすることになるとは思ってもみなかった。瓦の工事を生業とするものにとって、誇らしい仕事に巡り合わせてもらえることが出来た。

 今月20日に足場を掛けてもらい、22日、瓦の上の足場を設置、24日午前中、一人で屋根裏のシート養生、そして屋根の解体は25、26日で大棟の撤去、今日27日は、西妻の瓦の撤去が終わった。

 これまでなら、今年に入ったくらいから憂鬱になるところなのだが、それを感じずに来ている。プレッシャーが無いわけではないのだが、こんな感じで仕事に入ることが出来るとは思ってもみなかった。

 瓦解体のための応援要請は、上手くいかなかった。それだけでもナーバスになる要因なのだが、全くプレッシャーも感じなかった。少人数で仕事に入らざるを得なかったのだが、結果、進行上それが良かった。大きな棟鬼も水板も、隅鬼も取り外すことが出来た。明日、明後日で、東の妻の瓦を解体して、両妻の屋根板を打ち上げることが出来る。さらには、大棟付近の屋根板も打つことが出来るのではないか。

 31日、月曜日からは、三宅建設、平田洋瓦、江草板金等の応援が入るから大屋根平部分の解体が一気に進むかもしれない。幸い天気予報も傘マークは無い。大仕事の出足としては、最高のスタートが切れた。
今日の天気は、快晴だった。青い空も広がった。午前中からヤッケも脱ぎ、午後からはジャンパーも脱ぐほど暖かく穏やかな一日だった。

 今回の大仕事は、GWまで掛かる長丁場だ。当然、寒い日、雪が降る日、雨が降る日、風の強い日もあるだろう。しかし、気負わずにそれぞれに対処してどっしりとした仕事をしていきたい。
それにしても不思議だ。こんな大仕事に入る前、憂鬱にならないなんて、どんな物語が待っているのだろういか・・・  

    令和4年1月27日 笹原 真二
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2022-01-02 12:37:54 | Weblog
    カレンダー物語

 カレンダーを、自分の足で配りだして20年近くになると思う。それ以前は、配っていた時期もあったが、経費節減で、カレンダーの配布は中止した。

  配布を止めて、何年か過ぎた頃、「カレンダー営業」という本を読んだ。著者の営業マンは、基本的にカレンダー営業しかしていないという。カレンダー1本が、1年に1回、お客さんのところ訪問する大切なツールだと言う。なるほどと思い、その年、早速300本のカレンダーを作った。

 毎年、たくさんカレンダーをもらっていたのだが、同じようなものが多く、実際には掛けないものもある。カタログの中から、これなら、目につくところにかけてもらえるのではないか?と、絵が素敵な「にわぜんきゅう」さんの、カレンダーに決めた。5年目くらいに、一度だけ他の絵に変えたことがあるのだが、お客さんにも不評で、翌年から「ぜんきゅう」さんに戻した。中には、「カレンダーください。」と来社される方もいる。

 300本で始まったカレンダー営業、多いときは900本まで伸ばし、ここ数年は700本。誰彼無く配っていた時期もあったが、今では自分なりに配る先が落ちついてきた。仕事をさせてもらった家が基本だが、飛び込みで持って行く家もある。一昨年の大仕事、笠岡の松枝さんは飛び込み営業だった。どこの馬の骨か分からない自分を信じてくださったことがものすごく嬉しかった。

 20年近く、カレンダーを配ってきた経験は大きく、ある意味図々しくなって飛び込み営業でも、平気で「こんにちは」と言って、玄関の呼び鈴を押すことが出来るようになった。カレンダー営業の費用対効果を考えると、今のところ、なんとも言えないところだが、人生の経験としては、面白いと感じている。
 
 25日の土曜日、10年くらい前から欠かさず訪問している醤油蔵を持つ素敵な日本家屋のお家に「1年に1回、カレンダーを持ってくる瓦屋です。」と言って訪問すると、「この母屋、いくらくらい掛かる?」と。1年に一度だけ行っているが、ご当主と会ったのは昨年に続き2回目。「ちゃんと屋根に上がらないと分かりませんが、○○万円くらいですかね」「じゃ、この離れは?」見積もってみてくれとまでは言われなかったが、こんな話ができたことが嬉しいというか?面白いなと感じ、終日ご機嫌だった。
 
 27日、ここも10年近く訪問しているお家だ。「カレンダー、使ってください」と言って置いて帰ろうとすると、家の中から「瓦屋さん?・・・ちょっと屋根、見てくれる・・・大屋根の裏の方が割れて、雨漏りがしそう。やはり替えないとダメかな?」瓦屋だと名乗ってもいないのに、よく分かったなと感心しながら・・・こんなことがあるということが面白かった。受注するに越したことはないが、こんな出会いが面白いのだ。
 
               令和3年12月28日           笹原 真二
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