笑っている顔、どこのイケメンや俳優よりも、かわいい。
25日、26日と二夜連続で、1年前、神奈川県相模原市で起きた津久井やまゆり園障害者殺傷事件(亡くなった方19名、重軽傷者27名)について、ヘイトクライム(人種、民族、宗教、性的指向等に対する偏見や差別からくる暴力・犯罪)新たな衝撃と題してNHKのクローズアップ現代で放送された。
中学生のころには、やまゆり園の行事にも参加して、学生時代には「障害のある子供たちを支援したいと教師を志していた植松聖被告は、なぜあんな事件を起こしたのか?「障害者は不幸をつくる」という偏見からあの犯行に至ったという。番組では様々な角度から植松聖に迫ろうとしていたが、彼が連行されていく映像からは、生暖かいような?異様な狂気しか感じられなかった。
偏見はあった。大学1年生の時、クロスカントリーコースを走っていると、知的障害者の施設・愛光学園の生徒たちが先生と共に散歩をしていた。初めて見る大勢の知的障害者の集団が異様に思えたことを今でも憶えている。
ある時、バスに乗り遅れヒッチハイク。すると愛光学園のマイクロバスが止まってくれた。半分シマッタかなと思いながら乗り込むと、生徒達が笑顔で迎えてくれた。「違いは無いんだ」と感じたことも憶えている。
青年会議所に在籍していた時、西備養護学校や特別支援学級を支援した「なかよし運動会」という行事があった。ある年、中等部の体格のいい男子生徒がお漏らしをして、胸を両手でたたきながら興奮していた。先生方が懸命に下の世話をされている姿を頭が下がる思いで見ていた。
そんなことを思い出しながら、自分の中にもヘイトクライムの種はあるんだ?と思いながら2日間のクローズアップ現代を見た。
亡くなった女性の父親
「やっぱり、うちの娘は可愛いんですよ。こんなこと言うと親バカと思われるかもしれないけど・・・最後にあった時に、抱っこしてあげられなかったことが、ずっと心残りです。「意思疎通が出来ない障害者は生きていても仕方ない」(植松)と言っていたけど、言葉は単語しか並ばないかもしれないけど、意思疎通は出来るんです。」
亡くなった女性の母親
「とにかくついてきて、トイレの中にもついてきて。二重顎になっているけれど、親バカかもしれないけど、とにかくかわいい。夫の病気、親の介護があるから、施設に預けたけど、どんな命でも大切な命、ゆるせない。」
垂水京子さんは、重い知的障害がある息子、亮太君をやまゆり園に通わせていた。事件後、衆議院議長にあてた「保護者の疲れ切った表情、居ても立っても居られずに、本日行動した」という植松被告の言葉にハッとさせられたと言う。「疲れ切った保護者の顔というのは、ショートステイに行った時の私の顔かもしれないと、今でも思っています。不自由は不幸につながらないけど、限りなく不幸につながるのではないかというのは、ずっとあって、消極的な意味でいないほうがいいと思ったことはあった。だけどそこだけを見るんじゃなくて、それの周りもすべて見てほしかった。」
「五体満足でよかったねとか言っちゃうでしょ。それは当然でしょう、いいんですよ。だけど、障害があったら、それはそれでよし、としないと。」
「心の底から、かわいいと。何もできないけれども、笑っている顔、どこのイケメンや俳優よりも、私はかわいい。役に立たなくてもいいし、ちゃんと存在しているだけで幸せだと思う。役に立たなくて悪い?」
事件後、垂水さんは、障害のある人が、地域でどのように生きているのか、多くの人に知ってもらいたいという思いから、亮太君と積極的に外に出歩くことを大切にしているという。 クローズアップ現代から
2017年7月28日 笹原真二
追伸Ⅰ
「今の日本の社会の根底には生産能力のない者を社会の敵と見なす冷めきった風潮がある。この事件はその根底がボコッと表面に現れたもの。」インターネットの関連記事に載っていたコメントを読みながら思い出したのは、13年前?上海で仕事をしていた時のこと、一緒に仕事をしていた安徽省から出稼ぎに来ていた農民工の仲間の中に、しゃべることの出来ない一人の聾啞者がいた。建設現場で危ないと思っていると、一緒に来ていた仲間たちがみんなで、身振り手振りで常に目配りしていた。仲間だなと感心しながら見ていたことを思い出した。
追伸Ⅱ
「障害があるから不幸」は間違った因果。障害があるからを入れ替えてみてください。貧しいから、学歴が無いから、と。ずっと身近になると思います。
中国新聞から
25日、26日と二夜連続で、1年前、神奈川県相模原市で起きた津久井やまゆり園障害者殺傷事件(亡くなった方19名、重軽傷者27名)について、ヘイトクライム(人種、民族、宗教、性的指向等に対する偏見や差別からくる暴力・犯罪)新たな衝撃と題してNHKのクローズアップ現代で放送された。
中学生のころには、やまゆり園の行事にも参加して、学生時代には「障害のある子供たちを支援したいと教師を志していた植松聖被告は、なぜあんな事件を起こしたのか?「障害者は不幸をつくる」という偏見からあの犯行に至ったという。番組では様々な角度から植松聖に迫ろうとしていたが、彼が連行されていく映像からは、生暖かいような?異様な狂気しか感じられなかった。
偏見はあった。大学1年生の時、クロスカントリーコースを走っていると、知的障害者の施設・愛光学園の生徒たちが先生と共に散歩をしていた。初めて見る大勢の知的障害者の集団が異様に思えたことを今でも憶えている。
ある時、バスに乗り遅れヒッチハイク。すると愛光学園のマイクロバスが止まってくれた。半分シマッタかなと思いながら乗り込むと、生徒達が笑顔で迎えてくれた。「違いは無いんだ」と感じたことも憶えている。
青年会議所に在籍していた時、西備養護学校や特別支援学級を支援した「なかよし運動会」という行事があった。ある年、中等部の体格のいい男子生徒がお漏らしをして、胸を両手でたたきながら興奮していた。先生方が懸命に下の世話をされている姿を頭が下がる思いで見ていた。
そんなことを思い出しながら、自分の中にもヘイトクライムの種はあるんだ?と思いながら2日間のクローズアップ現代を見た。
亡くなった女性の父親
「やっぱり、うちの娘は可愛いんですよ。こんなこと言うと親バカと思われるかもしれないけど・・・最後にあった時に、抱っこしてあげられなかったことが、ずっと心残りです。「意思疎通が出来ない障害者は生きていても仕方ない」(植松)と言っていたけど、言葉は単語しか並ばないかもしれないけど、意思疎通は出来るんです。」
亡くなった女性の母親
「とにかくついてきて、トイレの中にもついてきて。二重顎になっているけれど、親バカかもしれないけど、とにかくかわいい。夫の病気、親の介護があるから、施設に預けたけど、どんな命でも大切な命、ゆるせない。」
垂水京子さんは、重い知的障害がある息子、亮太君をやまゆり園に通わせていた。事件後、衆議院議長にあてた「保護者の疲れ切った表情、居ても立っても居られずに、本日行動した」という植松被告の言葉にハッとさせられたと言う。「疲れ切った保護者の顔というのは、ショートステイに行った時の私の顔かもしれないと、今でも思っています。不自由は不幸につながらないけど、限りなく不幸につながるのではないかというのは、ずっとあって、消極的な意味でいないほうがいいと思ったことはあった。だけどそこだけを見るんじゃなくて、それの周りもすべて見てほしかった。」
「五体満足でよかったねとか言っちゃうでしょ。それは当然でしょう、いいんですよ。だけど、障害があったら、それはそれでよし、としないと。」
「心の底から、かわいいと。何もできないけれども、笑っている顔、どこのイケメンや俳優よりも、私はかわいい。役に立たなくてもいいし、ちゃんと存在しているだけで幸せだと思う。役に立たなくて悪い?」
事件後、垂水さんは、障害のある人が、地域でどのように生きているのか、多くの人に知ってもらいたいという思いから、亮太君と積極的に外に出歩くことを大切にしているという。 クローズアップ現代から
2017年7月28日 笹原真二
追伸Ⅰ
「今の日本の社会の根底には生産能力のない者を社会の敵と見なす冷めきった風潮がある。この事件はその根底がボコッと表面に現れたもの。」インターネットの関連記事に載っていたコメントを読みながら思い出したのは、13年前?上海で仕事をしていた時のこと、一緒に仕事をしていた安徽省から出稼ぎに来ていた農民工の仲間の中に、しゃべることの出来ない一人の聾啞者がいた。建設現場で危ないと思っていると、一緒に来ていた仲間たちがみんなで、身振り手振りで常に目配りしていた。仲間だなと感心しながら見ていたことを思い出した。
追伸Ⅱ
「障害があるから不幸」は間違った因果。障害があるからを入れ替えてみてください。貧しいから、学歴が無いから、と。ずっと身近になると思います。
中国新聞から
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