なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

術前血糖コントロール

2023年11月15日 | 糖尿病

 11月13日(月)整形外科医に、大腿骨頸部骨折の80歳代女性の血糖コントロールを依頼された。11月11日の夜間に救急搬入されていた。当直の腎臓内科の若い先生が入院させていて、月曜日に整形外科に申し送られたばかりだった。

 隣の隣の町内にある内科医院(糖尿病専門医)に通院している。時間外は血糖しか測定できないので、週明けに13日に検査してが、HbA1cが9.0%だった。

 HbA1c はすぐには下がらない。2週間で食前血糖を100mg/dlにして下さいという。整形外科は無菌手術なので、結構血糖コントロールの要求は厳しい。そこまで下げると、低血糖も出てしまうので、140mg/dl以下でどうだろうか。

 内科医院の処方は、DPP4阻害薬(リナグリプチン5mg1錠分1)・メトホルミン(250mg4錠分2)・グリニド(レパグリニド0.25mg3錠分3だった。グリニドは中止した。(リナグリプチンと、手術まで間があるのでメトホルミンは継続)

 入院後の血糖は、空腹時が200mg/dl台で、昼夕の食前血糖が300mg/dl台と高かった。骨折の影響でふだんよりさらに高いのだろう。インスリン強化療法(持効型+超速効型)で開始した。それぞれ3単位で開始(超速効型は血糖高値の時は増量)した。

 翌14日にも血糖はほとんど変わらず、それぞれ4単位(超速効型は血糖高値の時増量)に増量した。尿カテーテル留置もあり、SGLT2阻害薬は追加し難い。

 

 術前血糖コントロールの目安は、空腹時血糖140mg/dl以下(100~140mg/d)、食後血糖200mg/dl以下(160~200mg/dl)、尿糖(1+)以下尿ケトン体陰性になっている。

 手術延期の基準は、空腹時200mg/dl以上または食後血糖300mg/dl以上、尿ケトン体陽性なので、今はまさにその状態だ。(尿ケトン体は陰性)

 

 別の糖尿病の患者さん(60代女性)は膝関節の手術を希望していたが、膝外来に来ている専門医(別の整形外科専門病院から応援)にHbA1c6.4%以下にしないと手術しないといわれた。

 何とかして下さいといわれた。直近のHbA1cは6.9%でそう悪くない。そのままでもHbA1c<7.0%の基準は満たしている。(インスリン強化療法にGLP1受容体作動薬・SGLT2阻害薬で治療している)

 薬剤調整で6.7%(1か月弱の変化)になったところで、このままいけば6.4%以下になる見込みとして、手術日程が決まったそうだ。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 誤嚥性肺炎 | トップ | 子宮留膿腫 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

糖尿病」カテゴリの最新記事