なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

一過性の四肢脱力

2018年06月09日 | Weblog

 午前4時に当直医(外部の病院のバイトの先生)から連絡が来た。四肢脱力の25歳男性が救急搬入して、周期性四肢麻痺として入院させたいという。入院にしてもらって、今日は日直で病院に出るので改めて診察することにした。

 昨夜午後8時ごろから自室で職場の同僚と飲食をしていた。アルコールはビール500mlで、市販の寿司を食べた。午後11時ごろに就寝して、午前1時過ぎに目が覚めたが、四肢の脱力があった。ベットから起き上がるのが大変だった。一人暮らしなので、自分で携帯から救急要請した。

 救急車内までは何とか歩いて乗車したそうだ。病院に搬入されたころが一番症状が強かったらしい。当直医の評価は上肢下肢ともにMMT3/5だった。ベットから両手を使っても起き上がれなかった。意識清明で他の神経症状はない。

 当直医は低カリウム血症を想定したが、血清カリウムは正常域で、甲状腺機能も正常域だった。炎症反応は陰性で、筋原性酵素は正常域。診断は正カリウム血性周期性四肢麻痺疑い(ギランバレー症候群も否定できず)と記載していた。

 病院に来て、当直医から申し送りを受けた。確かにその診断しか思いつかない。もう一人60歳女性が発熱・咳で受診して、肺炎があるという。いっしょに外来に行って入院とした。

 病棟に行って四肢脱力の男性を診た。このような症状は初めてだった。入院して4時間後の午前8時には、看護師さんの見守りでトイレまで歩行できた。朝食も完食していた。午前9時半の時点で、四肢の脱力はほとんど回復していた。一人暮らしで夜が心配だが、早く退院したい気持ちもあり、明日退院したいと希望した。

 

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