なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者の間質性肺炎

2019年01月16日 | Weblog

 昨日は地域の基幹病院呼吸器内科から間質性肺炎の89歳女性が転院してきた。酸素2L/分で入院継続が必要だった。

 老人保健施設に入所していたが、昨年12月に呼吸困難となり、救急搬入されていた。両側肺野に間質性陰影を認めて、心不全ではなく、間質性肺炎と診断された。ステロイドパルス療法で陰影が軽減したという。パルス療法が効くという保証はないので、効かない時は助からないという話をしていたはずだが、幸いに効いたようだ。

 現在はプレドニン20mg/日が投与されていた。今日胸部X線・CTを確認したが、間質性陰影は軽減していたが、胸水貯留があり、心不全としては利尿薬の増量を要する。

 おそらくもともとあった糖尿病が、ステロイド投与で悪化していた。前医ではヒューマリンRのスケールを使用していて、本格的な治療にはなっていなかった。アクトスの処方があり、施設で処方されていたのを継続していたのだろう。利尿薬(フロセミド)の処方と矛盾するのでこれは中止にした。

 しばらく当院で経過をみるが、プレドニンはそのままの量で継続しても、再度増悪する可能性があり、その時はパルス療法をしても効かないかもしれない。安定していれば、療養型病床のある病院へ転院できるかもしれないが、もう施設に帰すのは無理だろう。

 

 かなり前にやはり施設に入所していた90歳代の女性が間質性肺炎で当院に搬入された。他院紹介は希望されず、当院でステロイドパルス療法を行って一時的に症状軽快した。2回目の増悪時もパルス療法で軽減して、結局3回目の増悪の時に亡くなっていた。

 ステロイドパルス療法は、効くも八卦効かぬも八卦の印象があるが、専門的にはどうなのだろうか。

 

 

 

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