なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

あまり食べていないらしい

2015年02月09日 | Weblog

 43歳男性が頭部外傷で救急搬入された。自転車に乗っていて、雪道で前輪がすべって、転倒した。左側頭部を打撲して、皮下に血腫を形成してその項部が切れて出血していた。自分で起き上がって、自転車を押して近くの店に寄ったところ、その店の人が救急要請してくれた。自分でも頭に触ると血が付いていたのでびっくりしたそうだ。救急車が来たのがわからなかったというので、脳震盪があったのか。救急車に収容されてからのことは覚えていて、搬入時は意識清明。頭部CTで頭蓋内出血・頭蓋骨骨折はなかった。

 大分やせている。今仕事はしてないそうだ。金銭的な問題であまり食べていない。一人暮らしで、親は隣県にいるが、連絡してほしくないという。保険にも入ってないらしい。そのまま帰宅も心配なので、とりあえずは明日まで入院で経過をみることになった。その時間帯の当番の外科医にお願いしたが、そういう事情なので、何だか申し訳なかった。

 高血圧症で通院している85歳女性は、昨年から高蛋白血症があり、血清免疫電気泳動でM蛋白が検出された。夫はすでに亡くなり、ひとり娘はいるが、実際は姪が自宅に来てくれていろいろと世話をしているそうだ。骨髄穿刺の検査と血液科への紹介について娘と相談したかったが、娘を病院に呼ぶのが嫌なのか、話が進まなかった。実際には遠方の病院には行きたくない(行けない)そうだ。

 検査については、自分が決めればそれでいいというので、今日外来で骨髄穿刺を行った。結果を見て、大学病院から来ている腫瘍内科の先生と相談することにした。多発性骨髄腫と確定すれば、治療適応はどうなるのだろうか。一人暮らしで身の回りのことはできて、バスを乗り継いで病院にひとりで通院している。ただ、腰が曲がっていて、杖を突いて廊下を歩いているところを見ると、そのまま経過をみるのがいいようにも思える。自分からは娘に連絡したがらないので、病院の方で連絡して来てもらうことになりそうだ。

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