なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

この肺炎は何だろう

2019年12月26日 | Weblog

 昨日は内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が当直だった。病院に来た時に、朝方救急搬入された62歳男性のことで相談された。朝職場に着いたものの、発熱があって、ふらついて会話もうまくできなかった。

 胸部CTで両側肺の胸膜下から広がるスリガラス影を認めて、通常の細菌性肺炎とは思えない。間質性肺炎かということだった。

 

 1週間前から咳があり、何日前からかは不明だが、体温40℃と高熱だった。いっしょに診察した時には、ほとんど普通に会話できていたので、点滴(水分補充)が効いたのかもしれない。タバコ40本/日の喫煙者で、肺気腫もある。血圧は安定しているが、酸素飽和度は90~91%(室内気)と軽度だが低下していた。

 血液検査では白血球1600、血小板8.3万と減少していた(貧血はない)。CRP4.6とあまり上がっていないのが、細菌性肺炎とはちがうのかもしれない。低ナトリウム血症(125)、CK3112(AST173、LDH921)と異常値を呈していた。

 感染症とすれば、レジオネラ肺炎を疑うような検査値だった。下痢をしている点も合うが、それはふだんからだった。尿中抗原検査を追加すると、意外にも肺炎球菌が陽性と出て、レジオネラは陰性だった(リボテストレジオネラ)。(患者さんはMSMではない)

 呼吸器外来の先生(大学病院からバイト)に相談すると、非定型肺炎像ということだった。呼吸器内科のある病院へ紹介する予定と伝えると、その方がよいという。

 若い先生が地域の基幹病院呼吸器内科に連絡すると、診てもらえることになって、救急搬送した。向こうの若い呼吸器内科医は、肺炎球菌でそのような陰影になることもあるが、と言っていたそうだ。

 放射線科の読影レポートは間質性肺炎疑いとなっていた。この肺炎は何だろうか。

 

コメント (2)
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