なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない筋炎?

2019年12月12日 | Weblog

 12月3日の夕方に、87歳男性が通院している内科医院の紹介で内科を受診した。高熱があるが、肺炎はなく、原因がわからないということだった。

 2日前の12月1日夜間に、高熱と下肢の脱力で当院の救急外来を受診していた。当直は外科医(大学病院からのバイト)で、インフルエンザ迅速試験をして(陰性)、解熱薬処方で帰宅としていた。

 上気道症状はない。受診した時には微熱になっていた。診察しても特に有意な所見はなかった。胸腹部CTでみても、異常は指摘できなかった。白血球15900・CRP26.6と高値だった。

 CK1953・AST117・LDH329と筋原性酵素の上昇と、Dダイマー25.3と凝固異常があった。上腕と大腿の筋肉痛があるようだが、確定しがたい(難聴+認知力低下)。

 尿路感染症や胆道感染症など肺炎以外の感染症も否定的だった。今年洞不全症候群で当院循環器科で心臓ペースメーカー植え込み術を受けていた。それもまず、AAIで入れて、ペーシング不全でVVIに入れ直している。感染性心内膜炎疑いで血液培養を提出した。

 発作性心房細動もあったらしいが、洞調律に戻っていたので、抗凝固薬は心房細動が頻発・持続する時に開始とされていた。今回は頻脈性心房細動が続いていた。循環器科と相談して、軽度に腎障害(腎前性?)もあることから、ヘパリン持続点滴(5000単位/日)で経過をみることになった。

 抗菌薬(セフトリアキソン)も投与していたが、血液培養が陰性で、ゆっくりだが全体的に改善してきたので、7日投与で中止した。腎機能の改善でヘパリン持続点滴からDOAC内服(リクシアナ30mg/日)に変更した。

 今日の検査結果は、白血球10100・CRP5.0、CKとASTは正常域でLDH251(ほぼ正常域)だった。Dダイマーは12.1とまだ高い。膠原病の検査は陰性だった。

 この時期なので、リハビリを継続して年末に退院できるのが目標になる。抗菌薬が効いたわけでもないので、自然経過をみて軽快してきたことになる。

 この病態はいったい何なのだろうか。筋炎といっていいかどうかもわからない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする