肺炎の87歳男性が内科クリニックの紹介で入院していた。内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が担当していた。スルバシリン(ABPC/SBT)で治療を開始していたが、1週間経過しても改善がなく、先週相談された。
画像をみると、入院時から両側肺に浸潤影を認めた。背側はべたっとした浸潤影で前側には斑状影に集簇が散在している。高齢だが、ADLは自立していて、派手に誤嚥するような人ではないそうだ。何だか陰影に違和感(奇異な感じ)がしたが、細菌性以外とも言い難い。
白血球7100・CRP11.1で、肺炎球菌とレジオネラの尿中抗原は陰性だった。喀痰培養で有意な菌は検出されなかった。
月曜日は地域の基幹病院呼吸器内科の先生が週1で当院に来ている。相談してもらうと、抗菌薬はゾシン(PIPC/TAZ)にして非定型狙いでアジスロマイシンを追加するようにという指示だった。
そして1週間経過して、むしろ陰影が増加して、酸素飽和度も低下してきた。胸部CTを再検すると、両側の浸潤影が広がっていた。白血球15300・CRP11.1という結果だった。(このCRPが横ばいというのもなんか変だ)
このまま悪化すると人工呼吸管理を要する。もともとのADLが悪い高齢者では当院で診ることもあるが、この患者さんはできるだけの治療をしたい方だった。今日も来ていた同じ先生に相談して、転院で入院治療してもらうことにした。普通の肺炎ではない気がするが、よくわからない。
12月14日・15日と日本アレルギー学会主催の総合アレルギー講習会がパシフィコ横浜であり、出席していた。第6回になっているので、5年前から始まったもののようだ。基礎的なコースと専門的なコースに分かれていて、興味のあることを聴くことができる。当方はもちろん基礎的なコースだけを選んで聴いてきた。
専門医が単位をとるために来ているようだが、むしろ非専門医向きの講習会だ。研修医・専攻医にお勧め。分厚いテキスト(スライドのコピー)が配布されるが、ランションセミナー(教育セミナーという名称)のスライドも入っているのは珍しい。
土日をつぶして何をやっているのか、という気持ちもあるけど。これで今年の出張費は使い切った(参加費分2万円は自費)。