なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

学会出張前のばたばた

2019年05月08日 | Weblog

 内科再来を診て、学会出張前に入院患者さんたちの指示を漏れのないように出す予定だったが、前日から週明けまでの指示を出し始めていたのに、結局最後はばたばたしてしまった。

 連休前に依頼のあった大学病院からの転院を引き受けていた。60歳代前半の女性で、強皮症・膠原病関連間質性肺炎があり、数年前から在宅酸素療法が導入されていた。発作的な呼吸苦で3月半ばに大学病院呼吸器内科に入院したが、家庭の事情によるパニック発作だった。精神科を受診しているが、入院で家庭から離れたことで症状は軽快したらしい。

 トイレ歩行できるので、そのまま自宅に帰ってもいいようだが、もう少し歩けるようになりたいという。家庭に戻りたくないという気持ちがあるので、本来のリハビリではない。

 自宅は当院の診療圏ではなく、その住所から当院に通院・入院することはまずない地域だった。当地域の基幹病院の方はまだ近く、実際大学病院では今後の通院はそちらの病院に移す予定で診療情報提供書もすでに出されていた。ご本人も家族も当院に来るようになるとは思いませんでしたと言う。

 おそらく大学病院から基幹病院呼吸器内科に転院の依頼がいったが、入院の原因がパニック障害でトイレ歩行ができる患者さんなので、入院の適応なしと判断したのだろう。そして当院転院という手がありますと、伝えたと推定される。当院としては大歓迎で異存はない。処方がプレドニン・プログラフという当院で処方されることはない組み合わせだった(継続するだけ)。

 

 非代償性肝硬変(PBC)・肝性脳症90歳代女性は、食事を嘔吐して低酸素になった。アンモニア高値で傾眠になったり回復したりを繰り返していたが、かなり限界に近い。昔持っていた消化器内科の教科書に、「非代償性肝硬変の患者さん肝不全で亡くなるのは、食道静脈瘤や肝細胞癌で悪化しないように良く管理しましたということです」、とあった。

 そのほか、誤嚥性肺炎が軽快してST介入で嚥下訓練を開始したら、すぐに食事中止となった高齢男性や、認知症の拒食で食事摂取がさっぱり進まない患者さんなど、当院らしい患者さんたちでいっぱいだ。

 

 

 

 

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