なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

思いがけない腫瘍

2019年05月15日 | Weblog

92歳男性が 日曜日に、92歳男性が腰痛で整形外科に入院した。入院後に食事摂取がすすまないので、内科で診てほしいと整形外科医から相談された。日直だった外科医が骨盤CTを撮影していた。ざっと見ると右上腹部に全周性の腸管肥厚があり、てっきり大腸癌か思ったが違った。

 造影CTで確認すると、放射線科読影レポートは回腸腫瘍(悪性リンパ腫の疑い)とあった。消化器科医といっしょに画像を確認すると、回盲部から5~6cmの部位で確かに回腸だった。ここまで回腸(小腸)内腔が拡張できるものだと感心する。腫瘍マーカーはCEA・CA19-9がまったくの正常域で、外注検査の可溶性IL-2受容体抗体の結果待ちとなる。腹腔内リンパ節の腫脹や転移巣は指摘できない。

 70歳代くらいまでの患者さんならば、そのまま診断のところからがんセンターや大学病院に紹介でもいいが、こちらは92歳で認知症・ADL低下の患者さんだ。消化器科医から外科医の話がいき、手術について家族と相談することになった。食欲不振はこのためだけでもないようだが。

 可溶性IL-2受容体抗体が著明な上昇を呈しているとわかりやすいが、どう出るか。

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