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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

化学療法学会

2019年05月10日 | Weblog

 淋菌感染症 ペニシリンは耐性。経口セフェムはCFIXが感受性回復。静注セフェムはセフトリアキソンは感受性100%。キノロンはシタフロキサシンのみ感受性があり、他は感受性20%。スペクチノマイシンは感受性100%を保つ。アジスロマイシンは90%から80%に低下。セフトリアキソンが使えない時に選択。メロペネムは感受性があるが、使用すべきではない。

 AMR時代の感染症診断 培養検査は感染症診断の基本だが、狙っている細菌しか同定できない。抗原検査は迅速だが、比較的検出感度が低いという問題がある。インフルエンザウイルス迅速検査はウイルス量が少ないと陰性になり、抗菌薬の投与や他の原因検索が行われる。遺伝子検査は検出感度が高いが、シングルターゲットでは原因とされるが、マルチターゲットでは原因かどうかの解釈を要する。

 喀痰検査の菌は、喀痰培養で30%弱、気管支肺胞洗浄液で60%、遺伝子検査で100%検出される。遺伝子検査で網羅的に検査すると、誤嚥性肺炎では口腔内レンサ球菌が多く、嫌気性菌は少ない。むしろ誤嚥がない市中肺炎の方が嫌気性菌の比率が高い。コリネバクテリウムが検出され、黄色ブドウ球菌と共感染しやすい。

 新生児早期乳児の発熱 乳児は28日未満、早期乳児は28日~3ヶ月。母親からの移行免疫がのみぢ自分では免疫をつくれない時期。感染臓器が同定しにくい。頻度は、腎尿路系7~8割、中枢神経系、呼吸器系、消化器系、血液。微生物はある程度決まっている。細菌は、B群溶連菌、大腸菌、リステリア、その他腸内細菌。ウイルスは、エンテロウイルス、単純ヘルペス、パルコウイルスA、インフルエンザウイルス、RSウイルス。PAT pediatric assessmet triangleで判断する。

 インフルエンザウイルス抗原検査 保険診療上は発症48時間以内に検査できる。6時間以内は偽陰性が多い。インフルエンザウイルスだけの感染は9割で、それ以外は混合感染。成人インフルエンザの4割は発熱がない。インフルエンザウイルス核酸同定定量検査な、重症患者に限られ、コストが高すぎる。

 肺炎診療 仙台赤十字病院の三木先生の講演。肺炎ガイドラインの説明だったが、キノロンの使い分け(私案)が面白かった。肺炎球菌にはGRNXかMFLX、肺膿瘍・胸膜炎合併にはSTFX、緑膿菌にはSTFX、高齢者にはLVFX、腎機能低下にはMFLX、肝機能低下にはGRNX、肺結核を否定できない時にはTFLX。抗菌薬を何日間使用するかは、軽症~中等症では7日間、重症・肺化膿症ではもっと長く使用。高サイトカイン血症患者で血清コルチゾールが低い時は、副腎皮質ホルモン投与が炎症を抑制して効果がある。重症肺炎ではβラクタマーゼにキノロンを併用するより、マクロライドを併用する方が効果があるが、マクロライドの抗炎症効果による。 

 

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