東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い東芝製トランジスタラジオ(カーラジオ) AR-109の修理(4/6)

2013年11月26日 | 古ラジオ修理工房

 この東芝製カーラジオAR-109の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。

  修理(1/6) 修理(2/6)  修理(3/6) 修理(4/6)
  修理(5/6) 修理(6/6)

 ジャンク品を中心に東芝製カーラジオ AR-109を調査しています。今回、そのジャンク品に電気を流してみて動作を確認することにしました。この確認をすることによって、どこの電子回路が正常で,どの電子回路が故障しているか,またどの箇所を部品取りできそうかなどのめどをつける意味もあります。
 まずは、バッテリーからの電源供給部に電圧12Vを加えてみました。ショートしているとバチバチ火花が飛びますが大丈夫でした。安定化電源の電流値もわずかです。しばらく12Vをかけたままエージングしてみましたが、何も起きませんでした。

                 電子回路に電気を流す、四角は12Vに,丸は電流計に


 そこで、流れる電流値を測定しました。すると、一般のラジオと同様13mAですので正常値です。この値が50mAを越えるようであれば、どこかでリークしている可能生があります。少なくとも、ショートやリークは無いことが分かりました。

     安定化電源は12Vに設定             電流値は13mAで正常値
 

 次に、中間周波増幅部が正常かどうかチェックしました。そのため、中間周波増幅部後段の検波用ダイオードにオシロスコープを接続しました。そして、SGで搬送波455kHzで1000HzでAM変調した電波を、混合発信部付近に入れてみました。すると、復調されたきれいな1000Hzが観測できました。中間周波増幅部は正常です。

                検波用ダイオードにオシロスコープのプローブを接続


 続いて、中間周波そのものををオシロスコープで観測しました。すると、綺麗なAM変調波形が観測されました。なお、1番強い波形はSGの発信周波数は450KHzを示していました。単にSGの誤差なのか、中間周波トランスの偏りも知れません。昭和20年代、いろいろな中間周波数が使われていたそうです。カーラジオはどの周波数で統一されていたのでしょうか。時間があれば、周波数カウンタで正確に確認してみようと思います。

  450KHzの中間周波数をSGで発信           綺麗なAM変調波形
 

 次に、各周波数のラジオ放送を受信できるかどうか確認することにしました。そのために、SGからいろいろな周波数の電波を出して受信状況をチェックしました。ただし、高周波増幅部が一部破損していましたので、実際のラジオ放送は受信できないと思います。強い電波を出して受信できるかどうかの確認だけです。オシロスコープで中間周波を見ながらのチェックです。

              強い電波を出して受信周波数の確認中


 最初、混合発信部が故障しているのではと思いましたが、正常のようでした。この部分が壊れていると、中間周波を生成できませんので。しかし、ちゃんと中間周波を生成しました。
 各プリセットされたボタンを押すと、次の周波数の電波を受信できることが分かりました。第一ボタンは720KHz,第二ボタンは830KHz,そして第三ボタン1380KHzです。しかし、第四と第五ボタンはプリセットが良くないのか、1800KHz前後を受信します。
 なお、AGCに不具合があるのか、受信感度にムラがあります。また受信周波数が高い方にずれています。受信周波数が少し変ですが、とにかく受信できます。ちゃんとトラッキング調整すれば、ラジオ放送を聞くことができるようになると思います。

 今回で、ジャンク品の確認を終わります。少なくとも生きている部品ばかりです。このため、直す方のカーラジオの部品不良が見つかった場合、このジャンク品から取り出して使えそうです。

     第一ボタンの受信周波数              第二ボタンの受信周波数
 

     第三ボタンの受信周波数      第四ボタンの受信周波数(高い方にずれ)
 

コメント
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